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『 真価と進化 』

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2025.11.26号 VOL.311
逆転の発想

こんにちは。株式会社シンカの分部と申します。

「40歳定年制」をご存じでしょうか?

いまから13年前、2012年の野田内閣「国家戦略会議フロンティア分科会」にて、
硬直化している雇用の流動化を推進する施策の一例として提唱された政策案です。

当時、65歳までの雇用延長の義務化が議論されていた中で、
それとは逆に、定年を短くしよう!との政策提言。
キャッチーな表現も相まって、世間では大きな波紋を呼んだそうです。
「一律40歳で退職させられる!?」となったら、不安になりますよね。

提言案としては、定年の年齢を具体的に定めるものではなく、
長期的なキャリアパスを見据えて、雇用契約の期間を区切ること。
その一つの区切りを40歳とする考え方です。

・期限が明示されていない無期契約は、20年の雇用契約とみなす
・期限が明示されている有期契約は、10年でも40年でも認めることにする

20年雇用をベースとしながら、
多様な雇用の形を実現できるようにすることを目的としています。

これにより、20年毎「20~40歳」「40~60歳」「60~75歳」の『人生三毛作』を根付かせ、
70代でもやる気と能力のある人は活躍の場が得られるようにする、ということが狙いです。


この大胆な政策提案を掲げた柳川範之先生(東京大学教授)は、
その後のインタビューで、背景や意図をお話しされています。

・40歳でリタイアするのではなく、75歳まで元気に活躍してもらう提案である

・いまや20歳くらいで培った能力だけでは、50年間の仕事人生は難しい
 40歳くらいで新たなスキルを獲得できるステージを設けるべきである

・40歳で一度キャリアを見直してもらい、
 学びなおしの機会を受けられるような社会・雇用システムをつくるべき

・スキルは、「ストック」ではなく「フロー」である
 定期的に必要なスキルを摂取しなければ、健康的なキャリアを維持できない

・企業側にとっては、雇用形態が、短期の有期契約(非正規)か無期の正規かの2つしかない
 原則定年まで雇うことになるため、会社は正規採用を慎重にならざるを得ない

・雇用契約の期間を柔軟に設定できることで、硬直化した人材を流動化させ、
 新陳代謝をはかることによって、企業の競争力を維持する狙いがある


個人的には、いまさらながら、とても興味深い提言だなと感じます。

柳川先生の仰っている方向性は、この10年で益々強まっていますし、
皆さまも実感していらっしゃるのではと思います。
ただ、個人の取り組みだけでは社会を大きく変えることが難しいのも事実です。

いまこそ、過去の延長ではなく、逆転の発想をもち、
これまでの枠を超えた大胆な組織運営へと、変えていくことが必要と感じます。

※参考:
https://www.recruit-ms.co.jp/research/2030/opinion/detail1.html
https://www.recruit-ms.co.jp/research/2030/opinion/detail3.html
https://www.kandc.com/turning-point/special_v001/


編集後記

最近、高校の友人が、地元の新潟でクリニックを開院するという、
嬉しいニュースが飛び込んできました。
地域に根差したかかりつけ医となる一般診療中心の皮膚科クリニックです。

彼女は、高校時代から努力家で、医学部を目指していました。
一浪で歯学部に入学するも、夢を諦められずに退学をし、
再チャレンジの上、みごと医学部へ入学。

しかしその後、自営業をされている方と結婚し、2人の男の子を子育て中。
てっきり、家業を手伝い、家族を支える道を選んだのだなと思っていたので、
今回の知らせは本当に驚きとともに、すごい決断をしたなぁ!と心から嬉しく、
高校のときから変わっていない、彼女の信念や努力を思い、大変に胸を打たれました。

40代は、次の挑戦のタイミングですね。
彼女の頑張りに励まされた私も、自身への投資、努力を続けたいなと思います。

それでは、次回もお楽しみに!

執筆者プロフィール

株式会社シンカ
マネジャー
分部理恵

1980年生まれ。新潟県新潟市出身。東京理科大学工学部経営工学科卒。2004年に新卒でシンカ入社。
大手上場企業の新卒・中途採用アウトソーシング支援を中心に担当し、
採用支援システム開発や若手育成、業務標準化も経験。
経営不振の中、マネジャーとして案件採算適正化や看板事業の撤退、見積金額標準化を推進。
従業員主導の人事制度改革プロジェクトにも参画し、自社の経営改革に携わる。
現在は大手企業の採用支援とともに、中堅中小企業の組織人事支援へ挑戦中。
自らの強みを分かりやすく可視化したいとの思いから、2024年日商簿記検定1級に合格。
現在も、さらなる専門スキル獲得を目指し邁進している。