メールマガジン
『 真価と進化 』

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2025.11.05号 VOL.308
語源で読み解く江戸の粋

こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。

先日、現在放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のおよそ1年半にわたる
撮影が終了したというニュースを目にし、年末の足音が聞こえてきたと感じました。
物語序盤の舞台は吉原ということで、「NHK、大胆に攻めるなぁ」というシーンもあり、
早々と視聴離脱してしまう友人もおりましたが、私は江戸の「粋」が感じられる作品として
楽しく視聴しております。

残すところあと6話となり、謎多き浮世絵師、写楽の登場もまもなくです。
写楽の名前は、実は“しゃらくさい”から来ているって知っていましたか?

“しゃらくさい”とは、江戸時代の俗語で「洒落臭い(しゃれくさい)」が転じたもので、
洒落ているが、わざとらしい、気取っていて生意気、鼻につくというニュアンス。
大河ドラマ『べらぼう』では、戯作者・朋誠堂喜三二が「しゃらくさい」から命名案を出し、
蔦屋重三郎が「この世の楽しみを写したようだ」として「写楽」と名付けた
という設定になるようです。ユーモアと皮肉が込められているのですね。
“しゃらくさい”という言葉が、江戸の庶民の感性を映し出し、
それが写楽という存在に昇華されたと考えると、言葉の力ってすごいですよね。

“べらぼう”の語源についても、調べてみました。
語源は、穀物を潰す「箆棒」(へらぼう)にあり、「穀潰し」(ごくつぶし)の意味も
持っていると言われています。「穀潰し」とは、働ける状態にあるにもかかわらず働かず、
遊び暮らして食べることだけは一人前という者をののしって言う言葉です。
もともとは悪口だった“べらぼう”ですが、一般的ではない者に対して用いられて
いたことから「程度が桁外れなこと」、「常識では考えられないばかげたこと」を
意味する江戸方言として使われるようになります。
さらには「誰もなしえないような型破りなこと、または人」をさす誉め言葉として
使われるようにもなりました。

大河ドラマ『べらぼう』では、毎回必ず台詞に“べらぼう”が出てきます。
シーンによって、さまざまな意味で使われているなと思ってはいましたが、
語源を辿っていくと、更に理解が深まります。
反語的に意味が転じていくのが、面白く粋だなと感じられます。
“ヤバイ”に似ていますね。
“ヤバイ”も江戸時代の盗人言葉「やば(危ない場所)」が由来だそうです。

なんとなく意味やニュアンスは知っている言葉でも
言葉の語源を知ると、歴史や文化の背景が見えてきて、面白いですね。

さて、まもなく『べらぼう』に登場する写楽ですが、NHK出版から出ている
ドラマガイドによると、奇想天外な、まさに“べらぼう”な登場の仕方をするようです。
このメールマガジンを書くために調べ物をしていて知ってしまったのですが、
知ってしまっても尚、どのように描かれるのか楽しみです。

<参考>
precious.jp 大河ドラマ「べらぼう」からキーワードを解説
https://precious.jp/articles/-/52180



編集後記

「善玉コレステロール」「悪玉コレステロール」などでもよく耳にする
「善玉」「悪玉」という言葉も、江戸時代の黄表紙(大人向けの絵本)に
語源があるという事を知りました。
山東京伝の『心学早染艸(しんがくはやぞめぐさ)』の挿絵がそれです。
もやは言葉でもなく挿絵が語源とは興味深い。
現代語訳の黄表紙が出ているようなので読んでみたいと思います。

興味を持って調べてみると、芋づる式に面白いものが出てきますね。

<参考>
知って得する日本語ウンチク塾
https://hugkum.sho.jp/422117


それでは、次回もお楽しみに!

執筆者プロフィール

株式会社シンカ
経営企画部
稲村祥子

山形県朝日町出身。東北大学経済学部経済学科卒業。
幼少期、実家が小さな旅館を営んでおり親が夜まで忙しかったこともあり生粋のテレビっ子。
ヘアメイク職(CS番組、各種CM、Vシネ版「呪怨」(助手)等)を経て、2001年に中途でシンカに入社。
当初はバックオフィス担当であったが、所属チームの何でも屋という立ち位置で様々な業務を担当。
中でも営業管理領域に力を入れ、営業数字管理の統一化をチームを超えて行い、
計上予定の確度向上、不採算案件の把握などに貢献。
現在は、全社の何でも屋として、経理や労務などの経営管理部門のあらゆる役割を一手に担っている。