2025.02.05号 VOL.268
改革の灯はふとした瞬間に
こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。
私は昨年後半頃から、めっきりテレビを見なくなりました。
きっかけはフジテレビ!ではなく、YouTube!です。
何かビジネスの参考になることはないかとYouTubeを回していたら、
テレビのように短時間用に加工・演出された情報よりも、
専門家や実践している人が直接発信している解説や考えを
じっくり聞いた方が自分のタメになるなと思うようになったからです。
フジテレビもこれから改革を迫られていくことになるでしょう。
そして、弊社のお客様でも、昨年後半から変わろうとする
地殻変動のようなものを感じています。
今回は、そんな改革のきっかけについて語ってみたいと思います。
それでは、『真価と進化 2025.2.5号』、最後までお付き合いください。
改革の灯はふとした瞬間に
弊社はモーレツに働く文化がありました。
今も働き者の集団だとは思っていますが、昔は終電の時間まで働いて、
それから居酒屋に行って、仕事や会社について議論をして(バカ話もして)、
タクシーで帰る日々でした。もちろん土日も常にPCを開いていました。
メールも毎日1,000通は受信していたと思います。
現在は、フレックス出勤OK、リモートワーク週2日OK、
退勤時間は大体18~21時、土日は休み。メールは1日100通もないと思います。
でも、決して働いていない訳ではありません。
私が改革の当事者としてやらせてほしいと会社に訴えたのは2013年の頃。
働きすぎで体調を崩して入院する社員、辛すぎて泣いている社員、
誰も手助けできない張り詰めた空気。
上層部に改善を訴えるも、「仕方ない」「やるしかない」
「上が」「親会社が」と常套句の繰り返し。
皆やる気はありましたが、どうも限界を迎えているように感じていました。
私はどちらかというと一匹狼で、自分のお客様や新しい経験に熱中して、
会社の中でもメインストリームとは違う動きをして、傍から意見を放りこむ
ような立ち位置、キャラクターでした。
そんな私が、改革の狼煙を上げたきっかけは、
退職した社員が会社に遊びに来てくれた時のことです。
私たちと同じようにモーレツに働いていたその元社員は、
退職して数ヶ月しか経っていないのに、肌がツルツルになっていたのです。
一方、現役で一緒に働いている社員の顔を見ると、肌が疲れている…。
「一緒に戦ってくれている仲間の方が辛いなんて、絶対あってはいけない」
と、その時私の心に火がつきました。それは本当にふとした瞬間でした。
それからはや11年経ちますが、改革の過程で皆辛い思いをしましたが、
今では普通レベルに働いて、昔よりはるかに柔軟に新しいチャレンジができる
会社になれたと思っています。まだまだ頑張らなければなりませんが。
あなたの組織が変わり出す瞬間はどんな時でしょうか?
・株主や金融機関からのプレッシャー
・リーダーの交代
・社会的要請
・取引先からの要望の変化
・競合他社の台頭
・従業員からのボトムアップ
「環境、事業、仕事内容、待遇に不満があるなら、自分たちで変えればいい。
所属を変える必要はない。ここでやればいい。」
私は常にそう思ってやってきました。人の性格はあまり変わらないものですが、
組織は変わることができると信じています。所属する人の性格が滲み出る形で。
より良い方向に変化が起きる2025年にしていきましょう。
編集後記
自社の改革を振り返っても、ふとした瞬間に遭遇した時に、
誰かやってくれないかな~と思うか、自分がやるか、分かれ目がありますよね。
自分がやるんだ!と息巻いてみたら、空回りしたり、誰かを傷つけたり、
変化することは良くも悪くも刺激を生み出します。
人間は現状維持バイアスがあるので、どうしても刺激を避ける方向に流れがちです。
唯一の解決策は、常に変わり続けることを当たり前の状態にすること
しかないと思うのですが、一度成功するとその成功パターンを固めて
安定したくなります。そしてまた現状維持バイアスの罠にはまります。
究極的には、人間は生存することが目的ですから、
そのためには、環境適応し続ける必要があり、その環境認識をするためには
前述の何かしらの刺激を自らに与え続けるしかけが必要なのかもしれませんね。
私もYouTubeばかり回していないで、いろんな刺激を自分に与えて、
次の「ふとした瞬間」に遭遇できるよう準備したいと思います。
それでは、次回もお楽しみに!
田中 裕也