シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2024.10.30号 VOL.256
混沌を抱きしめながら生きる

こんにちは。株式会社シンカの山内と申します。

10月27日(日)、衆議院議員総選挙が行われましたね。

選挙公報を眺めていると、有権者にとっての目先のメリットや、
わかりやすい敵を設定して訴えかけるものが多い印象を受けました。

「地球は未来の子どもたちから借りているもの」
「我々は、次の7世代に責任を持って決断をしなければならない」

こうした視点は、今を生きる私たちにとって、決して簡単なものではありませんが
未来を見据えた歩みを進めたいと願うばかりです。

それでは、『真価と進化 2024.10.30号』、最後までお付き合いください。


混沌を抱きしめながら生きる


最近は、本をゆっくり読む時間がめっきり少なくなってしまいましたが、
そんな中、子どもの昼寝中に一気読みした一冊が衝撃的でした。

『私たちは売りたくない!
”危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』
https://amzn.asia/d/0RH4Phq/

発売からわずか1日で売り切れたようで、Kindle版を購入しました。

ワクチンの是非や、接種の意向について、ここでは言及しませんが、
製薬会社の社員の方々が、自分たちの信念と会社のミッションの間で
葛藤する姿が描かれており、「はじめに」を読むだけで胸が詰まる思いがしました。

企業の利益と個人の信念の間で揺れ動く彼らの姿は、
現代社会の縮図といえるかもしれません。
会社に対する感謝や愛着があるからこそ、その葛藤が一層大きく響きます。

社員たちは「社長に考え直してほしい」という想いを抱きながらも、
それを直接訴えることは難しく、本という形を通してしか訴えかけられない
もどかしさと悲しみも伝わってきます。

この本は、暴露本でも、会社を貶める意図があるものでもありません。
「考え方の違う人であっても、最後の最後まで抱きとめてあげてもらいたい」
という、おわりのメッセージには、彼らの深い使命感や愛情がにじみ出ており、
心を打たれました。

先日、高校の同窓会で、
「子どものために自分を犠牲にして生きるべきか」それとも
「自分の幸せを優先すべきか」といった葛藤を抱える同級生の話を聞きました。

二者択一で答えが出るものではありませんが、
「こうあるべき」という社会や周囲の期待があるからこそ、
自分に正直に、柔軟に生きることの難しさを感じる瞬間があります。

私は迷うときには、
「親が笑顔でいれば、子どもはきっと最後はわかってくれる」
という想いで進めていますが、果たしてそれもまた親のエゴなのかもしれません。

それでも、生き方に誇りを持って、泥臭く生きる自分の姿しか、
私は子どもに見せられるものはなさそうです。

私たちは、有権者であり、企業人であり、親でもありますが、
「人として」大切なことを守り、日々葛藤をしながらも、
その姿勢を追求し続ける自分でありたいと思います。

編集後記


話は変わりますが、なかなかすんなり歯磨きをさせてくれなかった我が子。

ポケモンのアプリや歯磨きYouTube動画など、試行錯誤を重ね、
最近では「あっ!お口のなかに、ばい菌さんがいる!!急いでやっつけよう!」と
親の見事な演技力をもって、何とかスムーズに仕上げ磨きができるようになりました。

子育てにもクリエイティビティが必要だと日々実感しています。

それでは、次回もお楽しみに!

山内 綾子