2024.10.23号 VOL.255
「もったいない」を「もっといい」に変える
こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。
東京都心では19日土曜日の気温が30.1度に達し、1875年からの観測史上最も遅い
真夏日の記録を更新しましたが、やっと涼しくなりましたね。
汗だくにもならず寒くもないので、部屋の片づけにちょうど良い季節。
片付けをすると出てくるのが、捨てるには勿体ないけど使わなくなったモノ達。
どうすれば、心地よく(罪悪感なく)スッキリできるのか悩ましいですよね。
今回のテーマは、そんなお悩み解消の参考になるかもしれないお話です。
それでは、『真価と進化 2024.10.23号』、最後までお付き合いください。
「もったいない」を「もっといい」に変える
「アップサイクル」という言葉を聞くことが増えてきましたね。
「リメイク」とはどう違うのでしょうか?
調べてみました。
アップサイクルは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することで、
「創造的再利用」とも呼ばれています。デザインやアイデアによって付加価値が
与えられることで、ものとしての寿命が長くなることも期待できるため、
製品のアップグレードと捉えることもできます。
リメイクは、古い製品にアレンジを加える方法。廃棄されるはずの元の製品の
特性や素材を生かすという点では同じですが、必ずしも価値が高まるわけではないとのこと。
言葉通り価値が「アップ」するかどうかが違うのですね。
身近な例でいうと、作り過ぎた肉じゃがの味変で和風カレーにした場合、
有体の出来ならリメイク、めちゃめちゃ美味しくなったらアップサイクルといった感じでしょうか。
真夏日を記録した土曜日に、外出せず、普段は見ない時間帯のニュースを見ていたら
「ライバル会社がアップサイクルでコラボ」という興味深い題材を取り上げていました。
メルマガのネタを探していたので、飛びつき、録画ボタンも押しつつ視聴しました。
化粧品メーカーの「花王」と「コーセー」は、3年前から化粧品事業の
サステナビリティ領域で協働を実施しており、その取り組みの1つとして行っているのが、
メイクアップ化粧品のアップサイクルなのだそうです。
研究段階で生まれてどうしてもお客様の手元には届かない化粧品があるが、
そのような役目を終えた化粧品を活用し、色材を製造販売する企業「モーンガータ」に、
花王とコーセーがアイシャドーなど色の付いたメイクアップ化粧品を提供。
それを絵具やインクへと再生し、子ども向けの体験型アートイベントや、
包装資材への印刷に利用するなどサステナブルな取り組みを進めてきたのだそうです。
存じ上げませんでした。
そんな取り組みの中、新しく開発されたのが水性ボールペン「SminkArtペン」。
一般販売を前に、多摩美術大学の学生たちが参加するデザインコンテストが開催されました。
ペンの色は黄色、水色、ピンクの3色のみ。先にアート作品を見たのですが、
この3色でどうやって?と思うほど色彩豊か。化粧品由来ならではの特徴からでした。
その特徴とは、化粧品特有の透け感、ラメ感、サラサラとして彩度の高いまま混色できる
自然由来の色材なので重ね塗りしてもあまり濁らないといったもの。
単に余っていた色材を使っただけではない付加価値があり、まさに"アップ"サイクルですね。
サステナビリティ領域でのライバル企業のタッグは、他の業界でも次々と行われるようになりましたね。
やはり、1社だけで解決できる問題ではないですから、とても良い動きだと思います。
個人向けでも、自分だけではうまくアップサイクル出来なくでも、それぞれのリソースを
持ち寄り、協力し合いながらアップサイクルするコミュニティが増えているようです。
お住まいの地域の町内会で行っているということも。
アップサイクルのネタ探しと考えると、片付けは宝探しに変わりますね。
1人でやるより、視点が違う誰かと一緒にやるのが良さそうです。
この夏、従妹が実家の片づけを子供達を巻き込んでやっていたのですが、
報告のLINEメッセージを見ると、とても楽しそうでした。
今回はアップサイクル出来たものは無かったようですが、気持ちはアップしている様子が見て取れました。
≪参考≫
・モーンガータ、役目を終えた化粧品を水性ボールペンへ 新たなアップサイクルの取り組みを開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000068237.html/
・Makeup Art Pen Award 2024
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000633.000041232.html/
・KURAMAEモデル
https://kuramae-model.org//
編集後記
アップサイクルではなく、ダウンサイクルもありますね。
古くなった洋服を雑巾にすることなど。
これだって新たな価値を生み出しています。
天然繊維であれば、土に還って、完全に使い切ることが出来ると言われますが
そこまでは なかなか難しい・・・。
出来ることから少しずつですね。
それでは、次回もお楽しみに!
稲村 祥子