シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2024.8.21号 VOL.246
地場産の魅力

こんにちは。株式会社シンカの分部と申します。

皆様、夏休みはいかがお過ごしでしょうか。
私は先日、実家の新潟に帰省した際、「燕三条」へ行ってきました。

新潟市からは40kmほどの距離。高速道路を使えば車で30分程度で行けるのですが、
これまであまり行く機会がありませんでした。

金属加工の技術で世界からも注目を集めている地域。
そして、Aliveで大変お世話になっているsnow peakの街!

実際の街の様子を感じることのできる貴重な機会となりましたので、
ご紹介させていただきたいと思います。

それでは、『真価と進化 2024.8.21号』、最後までお付き合いください。


地場産の魅力


今回の目的地は、『Tsubamesanjo Bit 燕三条本店』。
「道の駅 燕三条地場産センター」の中に併設されているレストランです。

新幹線のとまる「燕三条駅」から徒歩5分、「三条燕IC」から車で5分という
交通の便のよい立地に位置しています。

■Tsubamesanjo Bit
https://bit2013.com//


「新潟を世界中の人々が集まる美食の街にする」ことを使命とし、
新潟の食の豊かさ、燕三条の匠の技術や想い、そして一流のサービスを提供するスタッフ陣を配し、
この3つによる感動を提供することをコンセプトとしているお店です。

新潟・燕三条に対する情熱にあふれたお店作りをされていることに期待しつつ、
勝手ながら、、、
・銀座にもお店をかまえるほどなので単価高め&オシャレ系
 薄暗い照明の中、静かに音楽が流れてるようなラグジュアリーな雰囲気?
・となると、お客さんは30代以上の女性 or カップルという感じか?
・地域全体は高齢化しているだろうから地元の人は少なそうだな
と想像していました。

が、しっかり裏切られました。笑

・単価高め&オシャレ系は想像通り
・100席ほど入るフロア全体はお客さんでいっぱい!
・年齢層は幅広く、地元の家族連れや、高齢のご夫婦も多い
・スタッフの皆さんが明るく元気。挨拶の掛け声で大変活気のある雰囲気

ラグジュアリーな空間で、贅沢なコースランチをいただきながらも、
気兼ねなく過ごすことができる、という大変不思議な体験でした。
高めな価格設定ではありますが、意欲の高いスタッフさんによる気持ちの良い空間づくりが
地元の方にも愛されている理由なのかもしれません。

料理はもちろん新潟・燕三条産の素材を活かしたものばかりで、
いずれも大変美味しくいただきました。


そして、料理とともに、心を奪われたものがありました。
それは、「カトラリー」です。

コースランチをオーダーすると、最初にカトラリーをセットしてくれるのですが、
その際に、
「こちらのお箸は、マルナオさんのものです。ナイフ・フォークは、山崎金属工業さんです。」
と紹介されました。

へー、こういうところにも燕三条のものを取り入れてるのか、と思いながら、
なんとなく箸を手に持ってみたら、、、
なんだこの手触り感は!!!という生まれて初めて感じた衝撃。
手に収まっているときの適度な重さと軽さ。フィット感。そして美しさ。
一瞬で虜になってしまいました。

マルナオさんのHPをチェックするも、商品が多すぎてよくわからない。
食事が終わったのち、併設されている物産館に立ち寄ったものの、一部の商品しか置いていない。

マルナオ本社は車で20分ほどの場所。工場見学も可能。
これはもう、直接いくしかない!
ということで、衝動的に訪問してまいりました。

■マルナオ
https://www.marunao.com//


現在の代表は3代目で、箸づくりをはじめたのもこの方から。
初代は大工道具である墨坪づくり&彫刻家であり、
2代目でプラスチック製品へ、そして現在の3代目で箸への挑戦・・・

と、この経緯だけでも様々な苦難があったものと想像されますが、
大工道具だからこその特徴である黒檀・紫檀という非常に堅い木材を扱う技術や、
短命で使い捨てのようなモノではなく、息の長い道具づくりを強みとし、
徹底的に自社の強みにこだわり続けた結果、現在があるそうです。

特徴は「直径わずか1.5mmの箸の先端まで八角形である」ということ。
究極の口当たりの良さを極めた、緊張感のある製品が最大の魅力。

ショップでは、箸だけでなく、木製のスプーンやフォークもあり、
どれも美しく、手に収まるフィット感が素晴らしく、ずっと触っていたくなるものばかり。
悩んだ末、初対面の感動が忘れられず、Bitで出会った箸を購入し、ほくほく顔で帰宅しました。


短い滞在ではありましたが、燕三条という地域の魅力を大変に感じられた日となりました。

・地域ならではの強みを地元の方たちが理解し、継承・進化を続けていること
・地域内が互いに尊重しあい、連携し、全体目線で皆が協力して発信していること

言葉にすると「地方創生とは」のテーマでどこにでも書かれていそうな結論で恐縮ですが、
今回、自らが無意識のままに地域の魅力を感じる流れにのり、
結果、想定以上のお金をつかって帰ることになったという事実に驚かされました。


最近は、買い物するにもネットで簡単に買うことが増え、
店舗に足を運ぶことが以前よりも減ったように思います。

でも、Webではわからない、現地にいかないと感じられないものがあります。
自分の五感で感じる経験が心を豊かにしてくれるように思います。

独自の特徴的な魅力の詰まった燕三条。
みなさま、ぜひ一度訪れてみてくださいね。


■洋食器・刃物の物産館 燕三条地場産振興センター
https://www.tsjiba.or.jp/kankou/index.html/


■REGIONAL CARRER 新潟 企業TOPインタビュー:マルナオ株式会社 代表取締役 福田 隆宏
https://rs-niigata.net/change/201708_marunao.html/


編集後記


実は、「燕三条」という地名は存在しません。
「燕市」と「三条市」の異なる地域をまとめた呼称にすぎません。

過去の歴史が気になって少し調べてみたところ、
なんと両市の間には、江戸時代頃から確執があるといわれてきたそうです。

・上越新幹線は「燕三条駅」という名で、所在地は「三条市」
・高速のインターチェンジは「三条燕IC」という名で、所在地は「燕市」

この絶妙なバランスが歴史を物語っていますよね。

※参考サイト
https://zatsuneta.com/archives/004129.html/


訪れた「道の駅 地場産センター」は両市に隣接しているのですが、
施設内には、燕市と三条市の境目を表していると思われる看板がおいてありました。笑

これまで並大抵の苦難ではなかったものと思いますし、いまもまだ解決していないこともあるものと思いますが、
「燕三条ブランド」をつくりあげるべく尽力しているみなさんの想いに、胸が熱くなります。
ぜひまた訪れたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに!

分部 理恵