シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2024.8.07号 VOL.245
マーカーを引いても学習効果はない

こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。

夏休みシーズンに突入しましたね。
私は夏休みの宿題を5回まわすほどガリ勉でした。
宿題に飽き足らず、全国区の問題集を買って、あまりの難しさに
悔し涙を流しながら問題を解いた思い出もあります。

先日、YouTubeで学習効果について検索してみたところ、
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の
星 友啓(ほし ともひろ)さんがお話しされている
「脳が一生忘れない スタンフォード式暗記術」という動画を見つけました。

本日は学習法の既成概念を変える、上記の研究結果について
ご紹介させていただきます。

それでは、『真価と進化 2024.8.7号』、最後までお付き合いください。


マーカーを引いても学習効果はない


まず、よくある学習方法は以下の通りと紹介されています。

●よくある勉強法
「まとめ」     重要なポイントをまとめてノートに書きだす
「自己説明」    重要なポイントを自分自身に向かって説明
「線引き」     テキストの重要な箇所に線を引く
「キーワード」   英単語など語呂合わせやキーワードを使って記憶
「熟考」      学んだ内容で疑問に感じたことを突き詰めて考える
「イメージ」    学んだことを頭の中で画像のように鮮明にイメージ
「読み直し」    テキストやノートを繰り返し読み返す
「テスト」     学んだことを理解できているかテスト
「インターバル」  一度学んだことを時間を空けて勉強し直す
「混ぜ合わせ」   違う科目やジャンルを交互に勉強

そのうち、科学的検証の結果、効果があるものとそうでもないものは
以下の通りだそうです。

●200以上の研究から脳科学者・心理学者たちの評価
最も効果的   テスト/ インターバル
しばしば効果的 熟考 / 自己説明 / 混ぜ合わせ
要注意     まとめ / 線引き / キーワード / イメージ / 読み直し

私はよくマーカーで「線引き」をしますが、
研究結果によると、それだけでは学習効果は確認できないそうです。

「テスト」は、テキストなどを使わずに自分の頭だけで思い出すことが、
脳のエンゲージメントを高め、学習効果を発揮するそうです。

それでは、最新&最強の記憶学習の方法は何なのでしょうか?
星氏は以下を提唱しています。

●記憶力がUPする学習法
「リトリーバル」  自分の頭だけを使って学習した内容を思い出すこと

リトリーバルを取り入れると、1.5~2倍記憶力が上がる研究報告もあるそうです。

例えば、一旦テキストなどで学んだら、途中で手を止めて、
ここまでで学んだことを思い出す作業をしてみる、などのやり方がよいそうです。

思い出す作業が辛い場合は、コミュニケーションの中で人と「コラボ」して
実践してみるとモチベーションを維持できるそうです。

また、勉強時間は平均30分~1.5時間がよいようで、
30分勉強して、5分休憩する、などのサイクルがよいそうです。

米国ベイエリアのビジネスマンのトップパフォーマーを働き方を分析したところ、
52分働いて、17分休むのが平均だったとのこと。

続編の動画には、さらに効果を高める「メタ認知」「インターバル」
「ハイパー修正効果」などが紹介されています。ぜひご覧になってみてください。

<参照>
【200以上の研究から評価した効果的な勉強法】線引き・読み直しで暗記はNG/
テストは学びを生み出す道具である/スタンフォード・星友啓氏が解説【EDUCATION SKILL SET】
https://www.youtube.com/watch?v=ZcjPV3qhcSA/


編集後記


学習効果といっても、主には「記憶」に関する内容でしたが、
実はそのリトリーバルの過程で、考える力が養われるという側面もあるそうで、
一概に暗記学習は意味がないと断じてはいけないようです。

私は昔から暗記が苦手で、すぐ物忘れをしてしまいますが、
自分なりに考えて、自分なりの捉え方を構築するのは好きな方です。
でも、それが思い込みにつながってしまい、自分の考えに固執してしまう
傾向もあるので注意が必要だなと思っています。

間違ってショックを受けて、修正すると飛躍的に学びにつながる
「ハイパー修正効果」が発揮されるそうなので、
学んでばかりいないで、実践と組み合わせてやっていこうと思いました。

皆さんの日頃の学びにも役立ちますように。

それでは、次回もお楽しみに!

田中 裕也