シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2024.5.15号 VOL.234
いまを生きる

こんにちは。株式会社シンカの分部と申します。

唐突に個人的な情報開示で恐縮ですが、本日は自身がこの世に生まれた日です。
・・・
ありがとうございます!
(おそらくお祝いの言葉をかけていただいた?と思いますので勝手ながらお礼申し上げます)
生まれたことに感謝すると同時に、相対する存在である死についても
自然と考えてしまう日でして、私の経験をお伝えできればと思います。

現在、悩み、苦しんでいる方もいらっしゃるかもしれず、
もし不愉快に思われる方がいらっしゃったとしたら、申し訳ありません。
皆様にとって、少しでも前向きな気持ちになっていただけることを祈って、
個人の経験と感じたことを率直に書かせていただきました。

それでは、『真価と進化 2024.5.15号』、最後までお付き合いください。


いまを生きる


母は、55歳のときに大腸に腫瘍が見つかり、
その後、5年の闘病の末に、60歳でこの世を旅立ちました。

発覚当時、私はまだ大学3年生でした。
家族会議が開かれ、単身赴任していた父が早期退職をして、
そばで母を支えたいと言ってくれて、
家族で病と向き合い、戦おうということとなりました。

私は、一人東京で離れて暮らしていることもあり、
また若さゆえ、自体を本当の意味では理解はできていなかったように思います。

母は、家族には弱い姿をあまり見せない人でした。
病と向き合い、克服するため、多くの本を読み、セカンドオピニオンを受け、
同じように闘っている方の話を聞きにいったりと、大変勉強熱心でした。
その中で免疫療法に出会い、自身が信じたいと思う治療方法を見つけ、
生活習慣の改善や、治療に取り組んでいました。
それは、食事療法だったり、体づくりや精神統一だったり。
免疫力を上げる効果がある(らしい)と耳にしたものは、ありとあらゆることを取り入れ、
果敢に自分の病と向き合っていました。

その過程では、抗がん剤治療を断ったことで、主担当の医者から冷たい言葉をかけられたりと、
大変につらい思いをしたこともあったようですが、
「自分のことは自分で決める」という覚悟を貫いていたように思います。


私自身、それまでは、母のことを「お母さんという存在」としかとらえられておらず、
一人の人間として、みたことがありませんでしたが、
闘病期間をつうじて、母の強さや、信念のようなものを感じ、
娘としてではなく、個人として、尊敬の念を抱くようになりました。

免疫療法がよかったのか悪かったのか、
西洋医学を信じて抗がん剤治療をしていればもっと長生きしたのかそうでないのか、
なにが正解だったのかはいまでもわかりません。

ただ言えるのは、旅立つ直前まで自宅で元気に過ごしていたこと、
そして母自身が生きることをあきらめず、自分の意志で道を進んでいたこと。
それだけは真実なんだと受け止めています。


過去を後悔しても前には進めないし、未来はどうなるかわからない。
「いまを生きる」ことこそが最も大事なのだと、母から教えてもらったと思っています。


編集後記


「いまを生きる」という映画をご存じでしょうか。
ロビン・ウィリアムズが主演を務めた1989年製作の名作です。

10歳くらいの頃、レンタルビデオを借りて、家族全員で自宅で鑑賞していたのですが、
初めて、映画に感動して涙を流す、という体験をしました。

そして家族に知られることが異常なまでに恥ずかしく(思春期の始まりでした)、
必死にこらえたものの耐えきれず、結果、激しい嗚咽をぶちまけるという、
さらなる恥ずかしさにみまわれて、せっかくの感動の時間が台無しとなったのもよい思い出です。笑

とても良い言葉ですよね。
いつでも、懸命に「いまを生きる」ことを大切にしていきたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに!

分部 理恵