シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2024.5.1号 VOL.232
カワイイは最強

こんにちは。株式会社シンカの山内と申します。

コロナが5類に移行してから初めてのゴールデンウィーク。
インバウンドも含め、各地混雑のニュースが報じられていますが、どのようにお過ごしですか?
私は1歳半になった娘と、朝はベランダでシャボン玉、午前は近所の公園でエンドレス滑り台、
午後買い物に連れて行けば、お店の中を縦横無尽に歩き回り、
夕方は、近所の神社の階段をエンドレス上り下りと、
出社している日常よりも、少々疲弊気味です(苦笑)

階段は、手すりを使うのが楽しいようで、
手はつなごうとせず、ハラハラしがちなのですが、
すれ違う方や、後ろから追い抜かして行かれる方に、
「頑張っているね」「たくましいね」「ゆっくりでいいよ」と
声をかけていただくことが多くあります。

なぜ人は、小さい子を見ると、思わず笑みがこぼれ、応援したくなるのでしょう。
そして、それはいつくらいまでなのでしょうか。

それでは、『 真価と進化 2024.5.1号』、最後までお付き合いください。


カワイイは最強


赤ちゃんをかわいいと思うのは、動物行動学者コンラート=ローレンツによると、
「ベビースキーマ(ベビーシェマ)」と呼ばれる、赤ちゃんの特徴が要因のようです。

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その特徴とは、「体に対する頭の大きさの割合が大きい、顔より頭蓋のほうが大きい(大きい額)、
目が大きく丸くて顔の中の低い位置にある、鼻と口が小さく頬がふくらんでいる、
体がふっくらして手足が短くずんぐりしている、動作がぎこちない」というものです。

このようなベビーシェマと呼ばれる特徴が
大人に「赤ちゃんらしい」というメッセージを送り、
大人は思わず微笑したり手を差し伸べたりしたくなります。

この赤ちゃんの特徴と大人のほぼ自動的な反応が組み合わせられているため、
誕生後すぐに1人では生きられないほど未熟な状態である赤ちゃんが、
大人による愛情行動を引き起こし世話や保護を受けることができるようになっています。
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本能に組み込まれた仕組みなわけですね。

一方で、最近、SNSを中心に「子持ち様」批判が広がっているという記事も目に入ってきます。

「急に休んだ分の仕事をカバーしてあげている」
「長期でみれば、社会全体の負担は子どもが背負っているんだ」
そんな二項対立の投稿に、心が痛みます。

子どもを連れて歩くことで、周りの方に迷惑をかけるのが怖くて、
無意識に気を張ったり、外出そのものを控えたくなったりすることも確かにあります。

先日も、滋賀県愛荘町で、地域おこし協力隊として活動している方に
仲間たちで会いにいくという企画を、予定の1ヶ月前に聞いたものの、
なかなか直前まで決断することができませんでした。

新幹線含め、電車移動は片道3時間半。
電車のなかで、ぐずったらどうしよう。
イヤイヤ期も始まっているので、現地でご一緒にする方々に迷惑をかけたらどうしよう。

でも、背中を押してくれたのは、仲間たちからの言葉でした。

「行程のなかで具体的に何が障害になる?解消できるように考えるよ」
「私たちもできるだけ助けるよ」
「大丈夫、みんないるから、何とかなるよ」

実際、ベビーカーに乗りたがらずぐずったときも、荷物がある私の代わりに抱っこしてくれたり、
見学先の伊藤忠兵衛記念館で眠くなって畳に横になり始めたときも
動線の邪魔にならないように見ていてくれたり、
麻織物の見学施設で、陳列された商品の箱を破ってしまったのを、施設の方に謝ってくれたり…。

「ソーシャルパパママ」たちに助けられ、充実した2日間を過ごすことができました。

自分だけで対処できないことが増えたからこそ、
多くの方の善意に気付く機会をいただけていると感じます。

出産前に、ある方からいただいたメッセージを思い出しました。
===
完璧なお母さんは子どもの強みの出番をなくしてしまいます。
だから、あちこち苦手があることは
お子さんの力を存分に発揮する場、ご家族やご友人のご活躍の機会となります。
お母さまの心が晴れているのが1番ですもの。
===

これからも、適度に甘えさせていただきながら、
出来る限り課外活動を続けていこうと思います!

※引用記事
赤ちゃんがかわいいのはなぜ?(公益社団法人日本心理学会)
https://psych.or.jp/interest/ff-22//


編集後記


昨年末の話ですが、山手線を抱っこ紐で移動中、
強面で腕から刺青がちらりと見えるお兄さんの背中をいきなりツンツンした娘。

ひぃっと一瞬慄きましたが、お兄さんははにかんで「カワイイですね」と一言。
人は見かけで判断しちゃいけませんね。ベビースキーマ、最強です。

ただ、「最もかわいいと思える赤ちゃんの年齢は、1歳前」という調査結果もあるようで、
そんな素敵なはにかみに出会えることも減ってしまうのかなと
ちょっと寂しい気持ちです。

それでは、次回もお楽しみに!

山内 綾子