2024.2.28号 VOL.223
ルールを決める、従う
こんにちは。株式会社シンカの横田と申します。
先日、今年も国立大学の前期日程入学試験が行われました。
入試と聞くと、私が自身の受験以上に記憶に残っているのが、
塾講師のアルバイトで受け持っていた生徒の姿です。
前日まで自習室に来て最後の追い込みを頑張りながらも、
居てもたってもいられず話込みに来る様子。
「これまでの努力を信じて」「平常心で」と通り一遍の言葉を投げかけることしかできず、
心から応援していても、落ち着かない姿をどうにもできないことに無力さを痛感しておりました。
そして試験は残酷なまでに平等に結果を出します。
現役生専門の塾だったので、桜が咲いた生徒だけではなく、ショックで顔を出せない生徒もおり、
ふと思えばあの前日の姿がその生徒を見た最後だった、ということもありました。
人生を変えてしまう大きな出来事、どうしたって残酷なものに、
せめてどうか公正で意味ある残酷さであってほしいと、
祈りのような気持ちを持っていたことを思い出しました。
それでは、『 真価と進化 2024.2.28号』、最後までお付き合いください。
ルールを決める、従う
先月、神奈川県の公立高校入試のネット出願システムにおいて、
期限までの出願ができないトラブルが発生したというニュースがございました。
特にGmailアドレスの方へメールが届かないという事態があり、
システム設計の不備などの原因もありながら、要因の一つとして、
Gmail側の送信者ガイドラインの強化ということも挙げられておりました。
この2月から本格的に強化となったこのガイドラインについては私たちにも影響があり、
このメルマガのメールやその他お客様支援のためのシステムで使用しているメールなど、
各システムの設定を確認・対応することとなりました。
そもそもこのガイドラインの強化は、頻発しているスパムメールへの対策で、
ユーザーがより快適に利用できるようにとの意図での変更です。
将来のインターネット社会を考えたときに必要な変更だったと思いますが、
全世界的に影響の大きいサービスの変更だったがゆえに、
各方面でトラブルが発生し、対応工数がかかっているものと思います。
慣れないサーバーの設定に苦労し、このような変更をしたGoogleへの不満を嘯きつつ、
ふと自分が最近、ルールを決める判断をしてきていたことに気が付きました。
入社してすぐのころや新しい仕事をするときには、上司や前任にやり方を確認し、
「なぜこのような運用をしているのか」を伺ってきました。
多くの場合、これまでの経験などを基に判断してルール化しているのですが、
経験が少ないときにはそのルールが妥当なものなのかの判断がつかず、
疑いつつもいったん受け入れて進める、としていました。
現在はチームメンバーに指示を出す機会も増え、
改めてこれまでのルールを問い直す機会にも恵まれています。
どちらでも構わない、と思うことにも自分なりの判断をする必要があり、
その判断でメンバーに負担をかけることにも自覚的にならなければいけないと
日々自分の判断が妥当だったかを反省しています。
そのように自分の判断の影響を想定することが多くなっていたので、
今回の変更に、「Googleは本当にこの影響を想定していたのか?」
「告知方法や移行期間の設定、対応する企業側への窓口対応など、
より配慮できることはあったのではないか?」と
判断に疑念を抱いたということに気が付きました。
「もっといい判断ができたのではないか」と省みる習慣が自分に身に付いてきたのだなと
少しの成長を実感する機会になりました。
▼Gmail メール送信者のガイドライン
https://support.google.com/a/answer/81126?hl=ja/
▼神奈川県公立高校 ホームページ
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/system.html/
編集後記
「あの判断は妥当だったのか」に関心がある私はおそらく、
「すべての判断は十分な検討の基で公正に決められていてほしい」という
祈りにも似た価値観を持っているのだと思います。
自分に厳しい目を向けながら、成長していきたいですね。
それでは、次回もお楽しみに!
横田 悟