2024.2.7号 VOL.220
「恐れ」を恐れないために
こんにちは。株式会社シンカの山内と申します。
まだまだ寒い日が続いておりますが、
先日には立春を迎え、少しずつ春に向けて季節が移ろいでいます。
能登半島地震から約一ヶ月。
まだ被害の全貌も把握されていないなか、現地で救助や復旧、
被災者支援に奔走されている方々のご尽力に敬意を表します。
「立春大吉」という言葉には、「除災招福」の意味があります。
少しでも早く、「日常」という幸せな日々が訪れますように。
心からお祈りします。
それでは、『 真価と進化 2024.2.7号』、最後までお付き合いください。
「恐れ」を恐れないために
先日、とある大手企業の組織開発を担当されている方とお話する機会がありました。
これまで長らく、自分たちが思うとおりの方向性を後押ししてくれていた
部門の責任者の方が、ご事情があって不在となることとなり、
残されたメンバー3人で、今後、自分たちが改めて何を大切にしていくのか、
週末に焚火を囲いながら、じっくり膝を突き合わせて話し合ったそうです。
そういう時間をお互いとろうと思えること自体が、
それだけで素晴らしい関係性だなぁと感銘を受けましたが、
半日以上話し合いをした結果、最終的に彼らがたどり着いた共通点は、
「関わる人たちの恐れを取り除きたい」というものだったそうです。
ただ、その「恐れ」の定義も個々違っていたのだそうです。
皆さんは、「恐れ」について、じっくり考えたことはありますか?
私は、比較的、「恐れ」という感情には向き合っているほうではないかと思っています。
自分の思考や発言が、「恐れ」から発せられているのか、
「愛」から発せられているのか、ここ数年、特に意識するきっかけがあり、
いかに「恐れ」に囚われているかを実感し、愕然とすることも多々あります。
そんな背景もあり、今回のお話は興味深いものでした。
さて、3人それぞれの「恐れ」の定義は下記のようなものだったそうです。
・恐れとは、「知らない」ことから始まる。
だから、その人に「知るきっかけ」を提供したい。
・恐れとは、「願い」の裏返しである。
だから、その人の「願い」に寄り添い、支援したい。
・恐れとは、「ありのまま」でいられていないということである。
だから、その人が、「ありのまま」でいられる安心な場をつくりたい。
そして、どの場合も、本人が恐れの背景に気が付かないまま、
ただただ、「恐れ」に対して恐れている状態が多いそうです。
「恐れ」「悲しみ」「怒り」「無力感」「嫉妬」「孤独感」
私たちは、たくさんの負の感情とともに生きています。
地震による被害を直接は受けていなくても、悲しいニュースを見て、
何もできない自分に苦しんだり、恐れを抱えたりされている方も少なくないと思います。
そんな感情に襲われたときには、そこにある自分の心の声をまず正直に聞いてみてあげてください。
きっとその行為自体が、自分を癒し、「恐れ」そのものに恐れることなく、次に進む後押しになるはずです。
それが、今の自分には「祈ることしかできない」という結論だとしても。
編集後記
2024年1月1日、私は夫の実家の富山県高岡市にいました。
震度5強。横に大きく揺れる1分間のなか、
ただただ、子どもを抱き寄せ、大きな被害にならないことを祈るしかできない自分。
翌日には能登を訪れる予定でしたので、本当に運命というのはわかりません。
皆さまとご一緒にお仕事できる喜びと、共に過ごしてくれる
仲間や家族に感謝して、立春を機に、祈りを継続しながら、
新しい気持ちで過ごしてまいりたいと思います。
それでは、次回もお楽しみに!
山内 綾子