シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2023.10.4号 VOL.202
高齢者のあり方に日本の光明あり

こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。

先日、たまたまYouTubeを開いたら、ベストセラー「80歳の壁」の著者
精神科医の和田秀樹さんと、論破王のひろゆきさんの対談動画が流れてきたので、
面白そうだったので一部見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=unP00Wr4KaQ/

そこで、和田先生が主張されていたのは、「高齢者こそ日本経済復活のカギ」
「高齢者には足し算の医療」が必要ということでした。
医学的観点では賛否あると思いますが、物事をゼロベースで考えられる人の
客観的な意見には耳を傾ける価値があると思いました。
それでは、『 真価と進化 2023.10.04号 』、最後までお付き合いください。

高齢者のあり方に日本の光明あり


 ちょうど同じ頃、日本経済新聞では「家計の金融資産、6月末に2115兆円
最高を大幅更新」という記事を出しました。日銀が9月20日に発表した
2023年4~6月期の資金循環統計(速報)の結果だそうです。

 グラフをよくよく見て見ると、1997年頃は約1300兆円だったものが、
2023年には約2100兆円。実に26年間で1.6倍に増加したということになります。
その6割は60代以上が保有しています。
 また、租税負担及び社会保障負担を合わせた義務的な公的負担の国民所得
に対する比率を表す国民負担率は、令和5年度の見通しで46.8%。
稼ぎの半分は税金と社会保障に支払うことになります。
年収の額面500万円の人が、実質的に自由に使えるお金は250万円程度。
ということは、フローの部にはあまり余裕がありません。

 そこで、ストックの部に可能性はないのか?という考えに至ります。
仮に、2100兆円×高齢者保有率6割×2.5%が市場に出回ったとすると、
その額は31.5兆円になり、現役世代にそれだけの富を移転することができます。
この額に消費税率10%を掛ければ、約3兆円の税収も見込めます。
子育て支援の財源が確保できますね。

 和田秀樹先生曰く、
「日本のメディアで、高齢者向けコンテンツを本気でやっているところはない!」
「日本の企業でも、高齢者を消費者と見なしているところは極めて少ない!」
「政府は高齢者をヨボヨボにする医療政策しかやっていない!」とのこと。

 最近、「地方創生」「事業承継」「定年再雇用」「管理職定年」
「高齢者のセカンドキャリア」等の話題に触れることが多く、
高齢者=生産も消費もしない人という扱いを変えるべきだと想いを強くしている中、私も強く共感しました。
 日本の人口の約3割=3600万人が65歳以上の高齢者です。
もはや、「高齢者」という定義を変えた方がいいのではないかとも思います。

 日本の経済や財政のためではなく、一人ひとりが人生を最後まで元気で
ハッピーに生きられる社会を目指すことが、今後の日本のあり方だと思いますし、
そうすれば結果的に、人手不足の解消も、経済活性化も、現役世代の負担軽減も、
地方創生も、事業承継も、幸福度の向上も、叶えられるのではないかと思います。

 現役世代の人も、「高齢者になったら万が一に怯えなければいけない」という
未来が提示されるより、「人生の最後の最後まで、どうやら楽しそうだぞ」と思えたら、
人生明るくやっていけるのではないかと思います。

日本経済新聞 9月20日記事 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB192830Z10C23A9000000//
日本銀行 資金循環統計(速報) https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf/
財務省 国民負担率 https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/futanritsu/20230221.html/


編集後記


私は毎朝、テレビ朝日の羽鳥慎一モーニングショーを観るのですが、
ここ最近、3回も「墓じまい」をテーマにした放送を観ました。
おそらく、悩んでいる視聴者からの反響が想像以上に大きかったのだと思います。

宗教やお墓、先祖を軽視する気持ちは全くありませんが、
現世の人間が、自分の人生を犠牲にしてまで先祖供養の負担を背負う必要はなく、
「自分のいま」を生きることに集中できるよう、
方法論は変化させていった方がいいのではないかと思っています。

50年後には4割が高齢者の社会になるのですから、大都会に住む人が、
何百kmも離れた地方の山の斜面にある墓の手入れをするのは到底無理、
という時代が必ずやってくるからです。

年齢を重ねても、既成概念で凝り固まった脳みそにならないよう、
いつまでも刺激を受け続けて、考える習慣を身に着けたいものです。

それでは、次回もお楽しみに!

田中 裕也