2023.9.27号 VOL.202
拝啓、『評価』することが苦手な貴方へ
こんにちは。株式会社シンカの山内と申します。
先日最終回を迎えた、あるドラマ風仕立てのタイトルにしてみました。
世の中が灰色に見えたり、いつ抜け出せるのかわからない苦悩の渦に巻き込まれたり、
人生のなかで、そんな時期もあるかもしれませんが、
仲間との何気ない会話や、家族とのささやかな楽しみ、
川のせせらぎの音、燃えるような夕焼け、空にかかる虹。
それを味わうことができれば、「十分だと思います。生きていくには。」
ドラマを引っ張りすぎですね。失礼しました。
それでは、『 真価と進化 2023.9.27号』、最後までお付き合いください。
拝啓、『評価』することが苦手な貴方へ
9月もあと4日となりました。やっと秋めいてきたこの時期、
「半期面談」を行う組織も多いことと思います。
弊社も、査定は1年に1回(3月)ですが、9月末に上期の振り返り面談を行っています。
弊社は、MBO(マネジメント・バイアウト)する前年の2016年、
従業員主導でゼロベースの人事制度改革を実行し、
その際制定した評価制度を今も利用しています。
当時、私は管理職手前のリーダー等級でしたが、
1年以上かけて取り組んだこのプロジェクトには大変思い入れがあります。
評価制度は何より「運用が肝」ですので、何度も何度も議論を重ねた軸がぶれないよう、
今も制度の「番人」として運用を見守っています。
組織運営方針として、「自律したプロフェッショナルの集団を目指す」を掲げ、
会社は「育てる」のではなく、自ら「育つ」ための機会提供を行うスタンスをとり、
「被評価者」が「評価者」を期初に指名する、といった運用も取り入れています。
評価されることに前向きでない方もいらっしゃるかもしれませんが、
評価する管理職層も、直接面談で指摘がしづらいと感じたり、
どんな風に関わるか迷われたりする方も少なくないかもしれません。
ご参考までに、私が評価面談に臨むときのスタンスをご紹介します。
・どこまでいっても人は変えられない。変えるのはその人自身
・それでも諦めずに関わり続ける。期待するのではなく、希望を持つ
・会社組織の目指すところと、本人のモチベーションの共通点を徹底的に考える
例えば、業績そのものの達成にはあまり関心がなく、
顧客志向が非常に強いメンバーの場合、どうしても自己犠牲を払いながら仕事をしがちです。
利益を残すことを悪と捉えるといった傾向もあります。
ただ、きちんと利益が残る金額をいただいて仕事をすることが、
なぜ結果的に顧客のためにつながるのか、私自身の考えとして何度も伝え、
長い期間はかかりますが、少しずつ、本人の行動が変わり、
生き生きとやりがいをもって取り組めている様子を見ると、
本当に人は変わっていけるのだなと、感動を覚えることもありました。
査定とも紐づくので、「評価」という言葉を使ってはいますが、
どちらかと言えば、「応援」する。
それしか周りにできることはある意味ないのだなと思います。
会社の評価基準はあるので、かみ砕いて基準を伝えることは努力しますが、
そこに「到達したいのか」は基本的には本人に委ね、
もしそう思うのならば、努力が最大限報われる方法を一緒に考える。
到達したいと思わなくても、希望をもって接し続ける。
あとは、相手に「託す」のみ。
応援できることは喜びですよね。
ここ最近のメルマガは、推し活がテーマになっていましたが、まさにそう。
「評価」面談ではなく、「応援」面談と捉えたら、
心が軽くなり、できていないところを探すのでなく、
本人のいいところに、きっと自然に目が向くと思います。
編集後記
4年前に外部の学びの場で出会い、地域でのフィールドワークをご一緒した仲間が、
今週、定年退職日を迎えられるということで、先週末に仲間たちとお祝いの会を開きました。
沢山の仲間たちからの寄せ書きメッセージ、思い入れのある店舗で購入したお祝いの品、
手作りケーキ、barをやっている仲間の出張bar二次会等々、
企画した自分が、間接的に応援のメッセージを浴びて、
応援のエネルギーのすごさを実感するとともに、応援できること、
祝えることの喜びを感じた1日でした。
どうか「評価」という言葉に引っ張られ過ぎず、「応援」できる、
「応援」してもらえる喜びを、面談で双方が感じられる時間となりますように。
それでは、次回もお楽しみに!
山内 綾子