シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

← 一覧にもどる
2023.1.18号 VOL.169
16%はどこに消えた? 『 真価と進化 2023.1.18号 』

 こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。

 1月6日、日本経済新聞は「JR・航空、年末年始の旅客数10%増 
行動制限撤廃で」という記事を掲載しました。

 その記事によると、ANAとJALの国内線合計旅客数は、コロナ禍前の
19年度と比較して、84%の水準まで戻ったとのこと。
また、JR旅客6社も、年末年始の新幹線・在来線特急の利用者数が
コロナ禍前の18年度比では84%の水準に回復したと発表したそうです。

 行動制限がなかったのに、100%に戻らなかったのはなぜか?
世の中何かが変わったのか?答えはありませんが、思考を巡らせてみました。

 それでは、『 真価と進化 2023.1.18号』、最後までお付き合いください。



16%はどこに消えた?


 年末年始の飛行機・新幹線は、コロナ禍前は帰省客と旅行客で充分に
満席だったはずです。ということは、行動制限が撤廃されれば100%に
戻ってもおかしくないのに、16%戻らかった。これはいかにも不思議です。

 まず、私の頭の中に浮かんだ原因は、「皆リモートに慣れちゃって、
帰省しなくなったのか?」という仮説です。しかし、帰省は実家の家族に
顔を出す行為ですから、別に帰らなくてもいいや~という人が16%も
誕生したというのは、少し考えにくいです。

 次に思いついたのは、「そうか、これまで我慢してきた海外旅行に
行く人が多かったのか?」という仮説です。ところが、同じ記事を読むと
国際線はコロナ禍前の5割の水準にしか回復していないとのこと。
ということは、海外旅行に出た人が多かったから、国内の移動が相対的に
少なかったという理由も、どうやら間違っていそうです。

 次に、「コロナ感染を避けて、車で帰省・旅行した人が多かったのか?」
と考えましたが、高速道路の交通量も、コロナ禍前の90%だったそう。
これも違いました。

 移動していないとすれば、やはりまだコロナ感染を恐れて、帰省を
控える人が多くいる世の中なのか?そういう方は一定数存在するとしても、
16%(約6人に1人)も存在するとは思えません。

 何か合理的な理由があるのではないか?どうしても考え付かずに、
同僚やお客様にどんな原因が考えられるか、質問してみました。
そこで得た2つの仮説が、最も有力ではないか、という所まで辿り着きました。

 【仮説①】コロナ感染者&濃厚接触者
厚生労働省HPに公開されているオープンデータによりますと、12月の
月末10日間にコロナ感染した人数は約163万人。仮に濃厚接触者が各5人
いたと仮定すれば163万人×5=815万人。これは総人口の約6%に相当します。

 【仮説②】全国旅行支援の効果で、前に分散した
記事の集計期間をよくよく見ると、12月28日~1月5日の実績とあります。
旅行代金の40%が割引されていた全国旅行支援は、年末年始の12月28日~
1月9日まで割引対象外とされていました。帰省・旅行を割引が適用される
12月24日(土)~12月27日(火)のうちに前倒ししたのではないか。

 あなたはどのようにお考えになるでしょうか?
ぜひご意見をお聞かせください。


日本経済新聞 1月6日「JR・航空、年末年始の旅客数10%増 行動制限撤廃で」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC064WD0W3A100C2000000/


日刊自動車新聞 1月12日「高速4社、年末年始の平均交通量 前年並み」
https://www.netdenjd.com/articles/-/278900


厚生労働省HP データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-
https://covid19.mhlw.go.jp/



編集後記


 つい最近まで逼迫していた半導体が過剰在庫と言われてみたり、
暴落していた円が急騰したり、米国の巨大IT企業がリストラしたり、
頭痛薬は買い占められたり、新橋の飲み屋街は依然の盛り上がりはありません。

 世の中が混沌としていて、一見関係のない事象が他に影響を及ぼしている
バタフライエフェクトの片鱗を、私たちは慎重に見極めて、これから
起きることを予想し、すべきことを考え、勇気をもって実行する
「コロナ禍の出口」の時を迎えようとしています。

 世の中がどうなっているのか頭を混乱させるニュースが多く、
皆さんと意見交換しながら、前に進みたいと思っています。

 それでは、次回もお楽しみに!

田中 裕也