シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

← 一覧にもどる
2022.11.9号 VOL.161
結婚式の礼儀 『 真価と進化 2022.11.9号 』

こんにちは。株式会社シンカの横田と申します。

先日、韓国・ソウルの繁華街、梨泰院にて、路地に密集した大勢の若者が
死亡するというショッキングな事故が報じられました。
ハロウィンを前にして大勢の人が集まっており、そこで起こった「転倒」が
100名を超えるの死傷者を生んだという、言葉ではにわかに理解しがたい事故でした。
日本人の死者も出たという点で日本で報道がなされておりますが、
コロナウイルス以前での東京・渋谷のハロウィンは仮装している大勢の若者が密集しており、
また直近のハロウィンも徐々に以前の活気を取り戻していると報じられており、
日本でもこのような事故が起きうる、決して対岸の火事ではない事故だと私は思います。

だがそもそもなぜハロウィンに仮装をするのか。そもそもハロウィンはめでたいお祭りなのか。
幼少期の「トリックオアトリート」とはあまりにも違う今のハロウィンに、
様々な疑問を私は抱いています。

意味のわからないままに、伝統行事を自分たちの都合のいいように使っていやしないか。
いくら企業のマーケティング施策や経済効果の側面があるとしても、
さすがに消費者として考えなしではいけないのではないか、と思いを改めました。

ですが、ふと自分も全然慣習の意味を理解できていないな、と自身を顧みる機会がございました。
人のことを言う前に、自分の行動を見直すべきですね。
それでは、『 真価と進化 2022.11.9号』、最後までお付き合いください。



結婚式の礼儀


先日、男子校時代の友人の結婚式に参列しました。
私自身、親戚や兄弟の結婚式に参列したことがなく、人生で初めての結婚式でした。

周囲の友人もまだ参列の経験が浅く、何を準備したらよいか全くわかりませんでした。
何をしたらよいかわからないとき、われわれZ世代のファーストチョイスは
そう、インターネットです。

ネット記事を読むと、何やら男性は礼服を着るらしい。普通の黒スーツとは色や仕立てが違うらしい。
ブロード生地のワイシャツが一般的で、カフスボタンだとなおよいらしい。
ポケットチーフも特にスリーピークスが祝い事には適しているらしい。
ご祝儀は3万円が相場らしい。ご祝儀袋は水引が固く結ばれたものがよく、
袱紗に入れておいた方がよく、受付の方に渡すときの出し方があるらしい。

数十分調べて、投げ出したくなりました。
祝い事なので無礼にならないよう気を配ることは大切だと考えていたものの、
ネットだとすべてが金科玉条のように思われ、その面倒さからつい準備が億劫になりました。

頭でっかちになっているときは、知識と経験を持つ人に聞くのが手っ取り早いです。
親や紳士服店の店員さんに、あれこれ尋ねました。
するとだんだんと優先順位がわかってきました。少し派手なスーツで参加する人も多いこと、
スリーピーススーツにしてしまえばワイシャツはそんなに気にしなくてもいいこと、
袱紗は冠婚葬祭によくつかうので持っておいた方がいいこと。
気にするポイントさえわかれば後は実行するだけ。
当日までに準備し、周囲から浮くことなく、晴れて結婚式を迎えることができました。

あれこれ尋ねているときに、よくわかったことがあります。
親も紳士服店の店員さんも、「なぜこれが一般的なのか」という疑問に対して、
明確な回答はありませんでした。
今までこうしてきた、こういう人が多かった、というだけの理解で成り立っており、
慣習は右に倣えの姿勢が大事なんだな、と改めて気づかされました。

さてここから大切なのは僕がどう次に伝えるかです。
僕もこうしてきたし周りもこうだったからこれがいいよ、と右から左へ伝えるのか、
立ち止まって自分で意味を考え、調べ、大事なことを伝えるのか。
友人が家庭を持つ年齢になった今、次世代に対して自分はどうありたいか、
身の回りの細かい意味の一つ一つに頭を使えるかが、
いい大人への第一歩だと改めて思いなおしました。


編集後記


新郎から聞いた後日譚では、式はとにかく準備で決めることが多すぎるとのこと。
規模・会場・食事・来賓・プログラム・スピーチ・余興・引き出物。
決定につかれ、新婦との喧嘩も絶えなかったとのことでした。
そうした経緯から新郎が友人に丸投げした二次会が、ハロウィンの夜に警察も巻き込む
大事件になったのですが、これは新郎の名誉のため伏せさせていただきます。

新郎が幸せそうな顔をしていたり、二次会でふと
『「ああこれから頑張らなきゃな」って思ってきた』とつぶやく姿を見ると、
自分も身が引き締まる思いでした。
それでは、次回もお楽しみに!

横田 悟