シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2022.8.31号 VOL.151
言葉は変化していくもの 『 真価と進化 2022.8.31号 』

こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。

早いもので、今日は8月の最終日ですね。
8月31日は、日本記念日協会により「宿題の日」に認定・登録されているそうです。
私の出身地の東北では、休みを冬にまわす為、お盆を過ぎた頃には夏休みが終わってしまうので、
8月31日に宿題追われる事が羨ましくもあったのですが、昨今では、東京でも
8月24日までの学校もあったりと変わってきているようですね。これもコロナの影響でしょうか。

夏休みの宿題と言えば自由研究! 科学系のテーマが多い印象ですが、
「方言」「地名の由来」など文系テーマも面白いですね。
今回は、このメルマガの原稿を自分のプチ自由研究ととらえ、言葉の変化について調べてみました。

それでは、『 真価と進化 2022.8.31号』、最後までお付き合いください。



言葉は変化していくもの


皆さんは「ら抜き言葉」が気になりますか?
ご存じの通り、可能の意味の「見られる」「来られる」等を
「見れる」「来れる」のように言う言い方のことです。
30年程前でしょうか、一時、言葉が乱れているとして、ひどく叩かれることが多かったと思いますが、
実はその歴史は古く、昭和初期から現れ、戦後更に増加したものなのだそうです。

私は「ら抜き言葉」が気になる方だったのですが、近頃ではあまり気にならなくなってきました。
話し言葉では、自分でも使ってることがあると思います。
文化庁による2015年度「国語に関する世論調査」では、「ら抜き言葉」を使う人が、
多数派になったそうです。
文法的には誤りとされている言葉が、なぜこれほどまでに定着したのでしょうか。

"ら"を抜くことは、若者がSNSなどで了解を「りょ」「り」と表現するような
単なる省略・短縮とは違うようです。

「見られる」
これだけを見て、皆さんは「可能表現」か「尊敬表現」か、
はたまた「受身表現」かの区別がつきますか? 
私には分かりません。
「見れる」であればどうしょうか?
これであれば、「可能表現」と区別が付きますね。
単に短縮だけでない実用的なメリットがあればこそ、定着したと思われます。

それでも、書き言葉では、まだまだ市民権を得ていないようです。
テレビのテロップでも「ら有り」に修正されているのをよく見かけます。
言葉によっては話し言葉でも違和感があるものもありますが、もう30年もすれば、
書き言葉やアナウンサーが話す言葉でも「ら抜き言葉」が主流になっているかも知れません。

俗語や方言、いわゆる業界用語などで、一般的に定着した言葉もありますね。
「マジ」「ハマる」「ウザい」、時間が「おす」、時間を「まく」etc.
「ウケる」意味での「おいしい」は明石家さんまさんが流行らせたと言われています。

言葉は変化していくもの。
そうでなければ、今でも私たちは大和言葉を使っていた事でしょう。

逆に、「よき」などの古語を若者が使うことも「いとをかし」ですね。
ちなみに、「逆に」を流行られたのは、松本人志さんと言われています。

日本語が乱れていると目くじらを立てずに、表現のバリエーションが増えた
と捉えて、理解し、変化を楽しんで、TPOに合わせて言葉を使いこなしたいものです。

使いこなすと言っても、無理して若者がSNSで使う言葉を乱用したり、
知ったかぶって業界用語や横文字のビジネス用語を使っても、
似合っていなければ、「イタい」人と不快に思われてしまうかも知れません。
頑張っていて「かわいい」と思ってもらえる可能性もありますが…。

言葉はコミュニケーション手段ですから、相手あってのもの。
伝えたい相手に気持ちよく伝わることが重要だと思います。
あっ、言っているそばから、この文章は大丈夫でしょうか(笑)


参考
・日本語センターブログ 「ら抜き言葉」は理由があります。
https://www.nihongo-c.jp/blog/blog-entry-139.html/

・NHK放送文化研究所 ことばの研究「こちら,~になります」
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/pdf/20161101_2.pdf

・RBB TODAY 松本人志、世間に広めた言葉は20個以上!
https://www.rbbtoday.com/article/2022/08/14/201101.html


編集後記


8月31日は従弟が住む町で大きなお祭りがあり、毎年およばれしていた事を思い出します。
立春から数えて210日目。台風などの災害を鎮め、豊作を祈る祭り。
調べてみたら、江戸時代から行われてた長い歴史あるお祭りでした。
そんなお祭りもここ2年はコロナの為に中止されていたのですが、
今年は地区ごとの山車の競演は無いものの、規模を縮小して行われるそうです。

各地でもwithコロナ時代の新たなカタチでのお祭りが催されているようで、
そんなニュースを聞くだけでも元気が出ます。
私も近くのお月見イベントにでも出かけてみようかと考えています。

それでは、次回もお楽しみに!

稲村 祥子