2022.7.13号 VOL.145
憲法改正草案の原文を読んでみよう『 真価と進化 2022.7.13号 』
こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。
去る7月10日に参議院選挙が開票され、自民党・日本維新の会・国民民主党
を含めた改憲勢力が国会発議が可能となる定数の3分の2以上の議席を超え、
いよいよ憲法改正の発議、国民投票が行われる可能性が高まりました。
いよいよ我々国民は、憲法改正の是非について、自ら考え、決断する
必要に迫られる瞬間が近づいてきています。
そこで、今回は、自民党が平成24年4月27日に発表している
「日本国憲法改正草案(現行憲法対照)」の原文を読んでみる
きっかけにしていただければと思います。
それでは、『 真価と進化 2022.7.13号』、最後までお付き合いください。
憲法改正草案の原文を読んでみよう
自民党憲法改正実現本部のホームページに、日本国憲法改正草案の
PDFが公表されています。ぜひお目通しください。
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf
私が読んでみて、特に気になった部分を一部取り上げます。
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■第1条 (天皇)
(旧)
天皇は、日本国の象徴であり~
(新)
天皇は、日本国の元首であり~
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→広辞苑によると、元首とは、国を代表する資格をもった首長とのこと。
すると、天皇が再び統治者になるということでしょうか。
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■第9条の二 (国防軍)
(旧)
新設
(新)
~内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する
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→これが「自衛隊の明記」と呼ばれているものですね。
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■第12条 (国民の責務)
(旧)
~公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ
(新)
~公益及び公の秩序に反してはならない
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→個人の自由や権利は、公益が優先されるニュアンスが感じられます。
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■第92条 (地方自治の本旨)
(旧)
新設
(新)
地方自治は、住民の参画を基本とし~
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→地方自治については手薄だった印象があったため、明記が増えています。
スペースの関係から、非常に簡単な部分を、省略して記載していますので、
誤解を生む可能性がありますので、ぜひ原文をじっくりお読みになって
いただきたいと思います。
第2次大戦後、諸外国では憲法改正が当たり前のように行われています。
特に注目に値するのは、三国同盟を結んだドイツが65回、イタリアが
17回も憲法改正を実行していることです。
冗談ではなく、国民投票に至る条件は揃いました。
その時には、原文レベルで理解して投票に臨みましょう。
編集後記
憲法改正草案を読んでみて、個人的には「中身には反対」ですが、
閉塞感のある日本を、私たち国民自身が変えられるんだという
自己肯定感・主体性を取り戻すために、「憲法を1回変えたことがある」
という経験をするべきではないかという意味で、
「改憲するという行動そのものには賛成」です。
ただし、内容はあまりにも根幹を揺るがすものが多い印象なので、
まずは「てにをは」の修正レベルにして、国民投票までやってみる
「改憲の経験」をしてみるのがいいのではないかと思っています。
それでは、次回もお楽しみに!
田中 裕也