シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2022.6.22号 VOL.142
贈り物をするということ『 真価と進化 2022.6.22号 』

こんにちは。株式会社シンカの横田と申します。
東京都では今月から『もっとTokyo』という都内観光促進事業が開始となりました。
ワクチン3回接種済みまたはPCR陰性証明のある都民が
都内を旅行する商品が対象となり、
宿泊旅行は1泊5,000円、日帰り旅行は1回2,500円の定額の助成がある、
都内の観光取扱事業者への支援策です。

経済面の不安から消費控えが起こっている所得に対して、
未だ回復しない外国人観光客の需要を内需で補おうという狙いが見て取れますが、
各種生活用品の値上げで苦しくなっている家計の支出が果たして旅行に向くか、
今後の消費行動が試されている施策です。

また感染防止対策のため都民の都内の旅行に限定しているものと思いますが、
旅といえば見知らぬ土地を歩くことでの新鮮な刺激こそが醍醐味と思う
私からすると、どうにも魅力的には思えませんでした。

ちょうど旅について考える機会があったところに、
長い旅に向かう同僚がおりました。
今回はその同僚を送ることがきっかけとなって考えたことを記します。
それでは、『 真価と進化 2022.6.22号』、最後までお付き合いください。



贈り物をするということ


その同僚はかねてからの世界を旅するという夢をかなえるために退職するとのことで、
先日会社にて簡単な送り出しの会を執り行いました。

その同僚がいかに会社にとって大事で、人として素晴らしい方かという話については、
私が語っても十分でないのでここでは控えますが、
私は会を迎えるにあたってプレゼント選びに苦心しました。

弊社では送り出しの会にて、有志から花と色紙を贈ることが恒例になっています。
しかしその同僚が退職後すぐに住まいを引き払い旅立つという事情と
引継ぎのために退職までに猶予があったことから、
家に置くことが前提となってしまう花とは違った贈り物がよいと考えました。
同僚とあれこれアイデアを出しましたが、結局本人に尋ね旅のお供となるグッズを贈ることとしました。

ちょうどその時期に友人の誕生日プレゼントも探しており、
誰かに喜んでもらえそうなことを考えるのは楽しいと改めて思いました。
特に「これをあげたらこういう反応をしてくれるかな」と想像すると、
期待と不安とが入り混じった興奮が得られます。
そして自分の目論見通りやそれ以上の反応をしてくれると、たまらない快感が得られます。

さてその同僚のように本人の希望にこたえることができればよいですが、
私の友人のように、本人から芳しい回答が得られない場合もあります。
自分の欲望には気づきにくいので、人と話してみて、
いざプレゼントをもらってみて「自分はこれがほしかった」と
具体的に思いなおす経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ここまで思って、私はふと、プレゼントと提案が似ていると気づきました。
お客様が自覚していない本音を引き出し、考え、
「これを提案したらこういう反応かな」と想像を膨らませ、
自分の期待以上の反応をしてくれると嬉しくなる。
誰に対してもいつも同じような花を贈ればいいのではなく、
その人だから、その会社だからを考えて最善を選ぶ。

私はいつも仕事だから会社相手だからと肩ひじ張って構えすぎてしまい、
紋切り型の質問や言葉通りのオウム返しばかりだったり、
相手のことを考えずに話し続ける独り相撲をくりかえしてしまっていました。

友人や同僚に贈るプレゼントを選ぶように、
「あれがいいかなこれがいいかな」と遊び心をもって考え、
相手の反応を想像して最善と思うものを探す。

仕事は人と対峙する、人付き合いの延長というあたりまえを改めて気づかされました。

編集後記


提案に比べてプレゼントには競合他社もいないし、一つに決める必要もない、
多くの場合は贈っただけで喜ばれる、という違いはあげられます。

ただ私は大学時代、誕生日プレゼントを贈った直後に彼女に振られ、
その彼女はすぐに別の男性と付き合ったという苦い経験があるので、
そこに大きな違いはないのではないかと思っております。
果たしてプレゼントのせいだったのか、それ以前の問題だったのか。

それでは、次回もお楽しみに!

横田 悟