シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2022.6.15号 VOL.141
金の切れ目は縁の…『 真価と進化 2022.6.15号 』

こんにちは。株式会社シンカの山内と申します。

先週、関東甲信地方も梅雨入りし、梅雨空の日が続いています。
天候に引きずられて、気分もどんよりしがちですが、
この時期は、色とりどりの紫陽花が目を引き、私たちを楽しませてくれます。

配色、グラデーション、鞠のような可愛らしい丸み、
自然が織り成す美しさに心が奪われます。

紫陽花の花言葉は幅が広く、色によって異なるのが特徴のようです。
お気に入りのひと房を飾って、日常に彩りを添えてはいかがでしょう?

それでは、『 真価と進化 2022.6.15号』、最後までお付き合いください。



金の切れ目は縁の…


昨年11月より、埼玉県飯能市で開始したデジタル地域通貨
『Hello, againコイン』も、開始から半年以上が経過しました。

地域通貨とは、特定の地域やコミュニティ内だけで流通・利用できる通貨のことで、
地域経済や地域コミュニティを活性化する効果が期待でき、
昨今、注目が集まっています。

『Hello, againコイン』は、現在、加盟店21店舗、547ユーザー、通貨決済量は約280万円。
あえて細かなKPIは設定せずに運用していますが、店舗拡大・ユーザーの拡大は
まだまだ道半ばです。

「PayPay」をはじめとする大手キャッシュレス決済サービスとの違いを
ご質問いただくことが多いのですが、全くもって、ポジショニングが異なる
通貨であり、現在の通貨を否定するものではなく、
「補完」するものと捉えていただくのがよいと思っています。

■使用場所
一般的な電子マネー:コンビニ、駅の改札、量販店・スーパーなど
Hello, againコイン:いきつけの個人商店・飲食店、大好きな地域

■決済のニーズ
一般的な電子マネー:スピード重視、簡単さ、合理性
Hello, againコイン:好き・応援したい(ファン)、シェアしたい、残したい

一般的な電子マネーが「合理的な取引」であるのに対し、
Hello, againコインは「情緒的な取引」を前提としています。

amazonでポチッと買い物をすることもあれば、
地域の商店でお店の方と雑談しながら買い物をしたり、
地域内で不要になったものを譲りあったり、
「ゆたかに生きる」うえでは両方が必要で、
合理的な取引に偏重している現代への、壮大な社会実験と捉えて活動しています。

加盟店に登録いただいている店舗さまからも、
最初は、
・PayPayと何が違うの?
・お客さんにとって、何がメリットなの?
・(チップ機能に関して)そんな奇特な人な人がいるの!?信じられない!
というお声が多かったのですが、実際に導入いただいたあとは、
下記のような声をお聞きします。

・大根が100円で売られているのが、気候の影響で130円になって
 家計を直撃するというニュースを見ると、確かに大変な家計もあるが、
 野菜づくりの大変さがわかる自分としては、100円はもともと安いと思っていた。
 その気持ちの分を払いたいと思うことと、一緒なんですね。
・コインのユーザーさんは、良い方が多く、自分たちもお話していて楽しいです。
・お客さんから「見られている意識」が自分たちにも必要なんですね。
 いいサービスを提供しようという良い緊張感が生まれます。

最近では、チップ(ギフト)をお支払いしている自分たちが、
むしろ店舗の方々から元気をいただいたり、新しいご縁をいただいたり、
時にはチップ以上のおまけをいただいたりと、現金や一般的な電子マネーでは
生まれにくかったであろう、関係性という名の社会的資本を頂いています。

「ファイナンス(finance)」という言葉は、
中世フランス語で「終わる、支払う」を意味する finer が語源で、
この finer に抽象名詞の語尾 -ance がついて、"finance" になり、
同じ語源をもつ仲間に "finish" があるそうです。

金の切れ目が縁の切れ目ではなく、ご縁の始まりになるような、
「新しい共助の仕組み」としての通貨をぜひ体験してみませんか?

※Hello, againコインのシステムを提供いただいている
 eumo(ユーモ)さんが、朝日新聞に大きく取り上げられました。
 有料会員記事ですが、こちらもぜひご覧ください。
~地域通貨が格差を止める?投資のプロが説く「共感の経済」からの幸せ~

https://www.asahi.com/articles/ASQ562VPJQ4FIIPE02C.html


編集後記


Hello, againコインを初めてご説明する際には、わかりやすいように、
「クラウドファンディングのような、地域や加盟店さんを【応援する】コイン」と
お伝えしているのですが、先日、新橋で、応援のパワーを実感する
衝撃のお店を発見しました!

『Cheer up Tokyo』
https://cheeruptokyo.com/


お客様を応援し元気になってもらう“チアガールが応援するDINER(居酒屋)”で、
彼女たちは、アルバイトも含めて、出勤したら、理念唱和をしているそうです。
Webには公開されていませんが、メニュー表にも理念を掲載しているほど。

恥ずかしらず、大きな声で、まっすぐ元気に明るく応援してもらうことが、
相手をこんなに笑顔にするとは。ぜひ一度お試しください。

それでは、次回もお楽しみに!

山内 綾子