シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2021.12.22号 VOL.118
「母になるなら、流山市。」のキャッチコピー

こんにちは。株式会社シンカの武田と申します。

今年も早いもので、本日を含め、残り10日となりました。
皆様にとって、今年はどのような1年になりましたでしょうか。

私にとってこの1年は、発見と挑戦の1年だったかなと思います。
コロナで思うような活動が出来ない中でも、新しい生活スタイル、
新しいサービスを発見したり、初めてのことにも、いくつか、
挑戦することができた1年となりました。他にも、姉が第一子を出産しまして、
子育てに対する新たな発見も多くあったように感じます。

今回は、子育てにも関連するお話をご紹介させて頂きます。
それでは、『 真価と進化 2021.12.22号』、最後までお付き合いください。



「母になるなら、流山市。」のキャッチコピー


先日とあるテレビ番組に千葉県流山市の市長が出演されておりました。
本日は、流山市のお話を少しご紹介をさせて頂きます。

流山市は、人口減少のこの時代に年々人口が増加しており、なんと、
人口増加率は5年連続で全国一位。「母になるなら、流山市。」の
キャッチコピーを掲げ、若い子育て世帯を呼び込み、市の人口構成比は
30~40代がトップとのこと。かつては、少子高齢化が進み、知名度も低かった
流山市は、今や「千葉の二子玉川」と称されるファミリー層で
賑わうお洒落な街へと変貌を遂げたようです。

小さなお子さんを連れてご家族で移住をされる方が増えているとの事。
都心へのアクセスもよく、自然もあるということもあるようですが、特に
子育て世帯への支援が厚く、移住先に選ばれる理由となっているようです。

具体的な働く子育て世代への施策としては、
市が中心となり、自宅近くで働きたい人のために、7000人規模の雇用を生む、
大型物流センターを誘致。小さなお子さんを育てながら働く方も多いため、
大型物流センターには保育園が併設されており、お子さんが熱を出した、など、
何かあっても、すぐに駆け付けられるようになっているとのこと。

また、駅に直結した「送迎保育ステーション」という仕組みもあるようです。
市内全域の各保育園を巡る送迎バスの発着所と一時預かり所を併設した施設とのこと。
親御さんは、朝一緒に駅までお子さんと行き、駅にある「送迎保育ステーション」に
お子さんを預け、そのまま出社することができます。保育園からの帰りも、
駅まで送ってくれ、そのまま「送迎保育ステーション」で平日は20時まで
預かっていただけるとの事なのです。残業等で遅くなってしまった場合でも安心ですね。

子育て世帯としては、駅まで送り迎えをすればよいのであれば、
家から遠くの保育園も、保育園を選ぶ際の選択肢に含まれてきますよね。なんと、
流山市は、今年4月1日時点で待機児童数がゼロになったとのことです。

また、保育士さん不足が叫ばれる中、市では、保育士さんへの支援も多くしており、
流山市で働いていただければ月額数万円の補助金を交付したり、家賃補助を交付したりと
市からの支援が多く、保育士さんのやりがいにも繋がっているとのことです。

このような様々な取り組みは、市長自らが、市民の方からの要望を聞き、
実現をしてきたとの事。そして、全国で初めて市役所内に「マーケティング課」を創るなど、
驚くべき施策を行われてきたようです。この、「マーケティング課」については、
市民に平等にサービスを提供するのが市役所なのに、ターゲットを絞るなんて信じられない、
という思いから、市役所内でも反発が多かったようです。

マーケティング課では、共働き子育て世帯をターゲットとし、都心の駅などに、
大きな広告を出したり、ブランディングをしたりと、様々な活動を行い、今では、
マーケティング課の働きによる効果が大きく、移住者が増えてきたということです。

市民、特に高齢者の方からは市長のそのような施策に対して、
「私たちを忘れないで」「私たちがいたから流山がある」といったご意見もあったそう。
若い人が来てくれて、働いて住んでくれるからこそ、高齢者の皆さんを支えられるんだ、
というお話を何度も行い、理解をして頂くよう、務めてきたそうです。

今ではそういったお声はほとんどなく、「近くで子供の声が聞こえてきて幸せだ」
といったお声の方が、多くなってきた、とお話ししておりました。

今後の街づくりにとって重要な存在となる、子育て世帯の具体的な課題に
真剣に向き合い、市民のご要望をしっかりと聞き入れてきたからこそ、
課題に直結した解決策見つけ出すことができ、いい街づくりに繋がっているのではと感じました。

先日、別の番組でとある企業の社長も言っておりました。
「利益を出そうとばかり思っている事業では、なかなか利益は出せない。
 人のお役に立とう、困っている人の課題を解決しようと思った事業だと利益が出やすい」と。

課題に真摯に向き合い、たくさんの人の意見を受け入れ、
困っている人の課題解決のために事業を行っていく。
企業も自治体も共通しているのだなとしみじみと感じました。

環境問題、少子高齢化、人口減少、等々、課題が山積している今は、
ビジネスチャンスの宝庫なのかもしれませんね。

普段の仕事であっても、課題に真摯に向き合い、自分に何が出来るのか、
何をしたら最適なのか、周りの方々の意見も取り入れながら、
日々、課題解決に繋がる具体的な行動をしていきたいと思います。


編集後記


流山市の市長さん、これまでの市長とは異なる考え方や行動をされていたようで、
就任後すぐは、市役所の職員からは「宇宙人」と思われていたこともあったそうです。

周りからの見え方含め、今の結果が出るまでは、一筋縄ではいかないことも
きっと多かったと思うのですが、こうしてしっかりと結果を出されている良い事例を
目の当たりにすると、どんな企業や自治体にも「努力をすれば変わることができる」
と、可能性を感じられるのは、私だけではないのではないでしょうか。

それでは、次回もお楽しみに!

武田 圭