2021.11.10号 VOL.112
竪穴式住居にサステナブルライフのヒントあり!
こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。
先日、ご縁がありまして山梨県大月市の市議会議員・棚本氏に大月市の課題や
取り組みについてお話を伺いに、直接訪問してまいりました。
地元の人口減少を食い止めるためには、仕事がなければいけないという
信念のもと、ご自身も数多くの事業を経営してこられたご経験を活かして、
熱心に、柔軟に、取り組まれている様子を伺って、とても感銘を受けました。
その地を知るためには、歴史から理解する必要があると思っておりまして、
帰り道に大月市郷土資料館に立ち寄りました。
そこで目にした、竪穴式住居に住む縄文人の様子を表した模型と、
何より、春夏秋冬のライフサイクルを図式化した画にとても感動しました。
今回は、そこから見てとれるサステナブルライフのヒントについて
ご紹介させていただきます。
それでは、『 真価と進化 2021.11.10号』、最後までお付き合いください。
竪穴式住居にサステナブルライフのヒントあり!
では早速、縄文人の春夏秋冬のライフサイクルを図式化したものを
私個人のFacebookに写真を投稿しておりますので、ご覧ください。
https://www.facebook.com/yuya.tanaka.73594/posts/4419448348136150
何が秀逸かと申しますと、春夏秋冬に採集・狩猟できる食物だけではなく、
その時期に、人間がどんな労働をしていたのかが同時に描かれていることです。
わかりやすくするために、季節ごとにそれぞれ箇条書きにしてみます。
●春
・植物:ワラビ、センマイ、タケノコ、キイチゴ
・魚:アユ
・動物:なし
・労働:石器づくり
↓
●夏
・植物:クズ、キノコ、アケビ、ブナ・シイ
・魚:ウグイ、コイ、ウナギ
・動物:なし
・労働:貯蔵穴づくり
↓
●秋
・植物:クリ、クルミ、ヤマイモ
・魚:サケ
・動物:ガン・カモ、シカ
・労働:籠づくり
↓
●冬
・植物:フキノトウ、タラメ
・魚:なし
・動物:イノシシ、クマ
・労働:土器づくり
いかがでしょうか?季節ごとに採れる食物があるのはもちろんのこと、
春には、夏の漁業のために石器を作り、
夏には、実りの秋に狩猟・採集した食物を冬まで食べられるように貯蔵穴を作り、
秋には、冬の狩猟や春の植物採集のための籠を作り、
冬には、外は寒すぎるので、竪穴式住居に籠って年中使う土器を作る。
そんなライフサイクルがあったのではないか?と想像されました。
現代の工業化社会は、これらの自然の移り行きを年中安定化させ、
植物、魚、動物、熱源、労働を一年中均一化させ、安定・便利・快適を
もたらしたものだと思います。
ただし、それらを支えているのは自然から得た化石燃料です。
その化石燃料の大量消費によって地球温暖化が起き、人類の存続が脅かされています。
今さら縄文人のような生活はできないと思いますが、
季節の移り変わりに対して、人間が少し適応し、季節単位で先を見越して
その準備をする。
それだけで、サスティナブルライフのコツが大きく掴めるのではないか、
と思ったのでした。皆さまも、近くの縄文遺跡へぜひ足を運んでみてください。
大人になってから見る縄文遺跡は、意外と面白いものです。