2021.9.22号 VOL.105
新しい時代の新しい組織
こんにちは。株式会社シンカの分部と申します。
新型コロナ感染数が落ち着き始め、ワクチン接種を済ませた方も増えてきており、
徐々に安心を取り戻しつつあるように感じますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、個人的に取り組んでいる課外活動で知り合った、
とある魅力的な若者たちの組織についてご紹介します。
これからの組織の在り方について、少しでも考えるヒントになれば幸いです。
それでは、『真価と進化 2021.9.22号』、最後までお付き合いください。
新しい時代の新しい組織
先日、山梨県大月市で活動をされている、
「大月ラボ」の皆さんとお話をさせていただく機会がありました。
■大月ラボ
https://otsukilab.com/
地方創生×クリエイター育成の場を、
大月市というローカルエリアに特化して活動されています。
「夢を叶える環境を創る。」ことをコンセプトに、
色々なことをやりやすい環境、失敗してもいいから1回やってみよう!
を実現できる場の提供をされています。
【ローカルディスタンス】というプロジェクトでは、
「大月市民全員をYouTuberにする!」ことに挑戦されています。
全然バズらないチャンネルととらえており(笑)、
年齢問わず、大月市民全員を出演させることを目指していて、
こないだうちのおばあちゃんが出てた、みたいな会話が生まれ、
大月を離れた人も懐かしいなとみてくれるようなものにしたいとの想い。
地元の人こそ地元を知るべきであり、YouTuberのイメージを変えたいと考えているそうです。
いま、総勢80名ほどにも増えているのですが、
実は、コロナをきっかけにスタートしたばかりの組織。
まだ1年余りしかたっていない中、ものすごいスピードで仲間が増えていることが驚きです。
この組織の特徴は、3つあります。
①フリーランスの集団であること
元々、都内でフリーランスで仕事をしていた5名程のクリエイターたち。
仕事の依頼を受けたらその仲間の中で割り振りし、プロジェクト化して対応していたが、
コロナで1人が大月に移住したことをきっかけに、
東京にいても外にでれないことから、徐々に皆が移住。
とはいえ、クリエイティブの仕事はなく、大月に知り合いもいなかったため、
地元の商店などに、HPつくりませんか?と飛び込み営業したそう。
その中で地域の方との交流が深まり、地域課題を聞くようになり、
根本改善していかないといけないよね、自分たちで地域創生活動をやってみよう、となったそうです。
元々、フリーランスの集まりでラフな仲間だったこともあり、
いまもそのままの形でローカルディスタンスの組織が成り立っています。
②いわゆる「マネジメント」がない組織であること
トップがいない組織であり、すべてはプロジェクト単位で動く、並列な組織。
やりたいことをやりたい人が手を挙げて企画し、手伝いたい人が手伝う。
その都度、プロジェクトが立ち上がり、PMがかわる。
創設者はもちろんいるものの、その方は、全部を把握したくない、
むしろよく分からないことがある方が面白いという感覚とのこと。
会社に入社したら、まずは報連相を叩き込まれますが、全く異なる価値観です。
③稼ぐこと≠幸せという価値観
ローカルディスタンスで大儲けしようと思っていません。
お金も仕事も全部バランスよく、稼ぎすぎても稼ぎすぎなくてもしんどい、
人のためになることをしたら楽しいし嬉しい。
人のためになることをしてお金をもらうというとても普通のことをしているという感覚。
お金がなくても皆で活動しているだけで楽しい。
それぞれの幸せの形を見つけてバランスよく生きることが幸せなんじゃないかという価値観。
いまでは、道を歩くだけで、食べ物がもらえるそう。笑
先日も、イオンの前にすわって考え事をしていたら、
気づいたときには3日分の食料が手元にあったとのこと。
お金がなくても生きてはいけると思えた出来事だそうです。
人と人の交流を大事にしたい。
国民は地元や日本全体をもっと知る必要がある。
クチコミで戦争は止められる。発する言葉で世界は変わる。クチコミで世界平和を実現したい。
というビジョンがあります。
「経済的豊かさ」から「心の豊かさ」へと言われ始めていますが、
大月ラボの皆さんはそれを自然に受け入れ、
地域や行政の方々とともに、地域課題解決のために様々なことに挑戦されています。
何がうまくいくのか分からない時代。
何をもってうまくいったというのかも分からない時代。
我々社会人は、当たり前のように会社という組織に所属していますが、
これからの時代、会社とはどういう組織であるべきなのか、何を目指すべきなのか。
その会社に所属するということはどういうことなのか。
改めて、考えてみてはいかがでしょうか。
編集後記
「最近の若者は~」論は、時代を超えた流行語ですが、
大月ラボの皆さんのように、世の中を等身大で捉え、
自分たちができることを自分たちの力でなんとかするために挑戦する、
という姿勢や行動力のある若者たちにとても胸をうたれました。
地に足をつけ、地域のために活動しつづけている姿は心から凄いと思いますし、
学ばなければいけないなと感じた出会いでした。
コロナが落ち着いたら彼らに会いにいきたいと思います。
それでは、次回もお楽しみに!
分部 理恵