シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2021.9.8号 VOL.103
マイ実証実験

 こんにちは。株式会社シンカ代表の田中です。

 今年のお盆も緊急事態宣言によって、岩手の実家への帰省は自粛しました。
かわりに、弊社ワーケーション施設「Alive」がある埼玉県飯能市の
木工体験施設「木楽里」さんにて、3日間、無垢の木でベッドを製作しました。

 新規事業立ち上げの1年間も山を越え、一区切りついたところで、
「サステナブルな生活を、東京の自宅に持ち込んで、マイ実証実験をしよう」
と思い立って、実行に移したことです。

 さて、どんなことが起きたか、今日は徒然にご紹介致します。

それでは、『 真価と進化 2021.09.08号』、最後までお付き合いください。



マイ実証実験


 私自身も、1年前から取り掛かりたいと思っていた動きに
ようやく取り組むことにしました。ただし、都心と自然をほぼ毎週行き来し、
サステナブルな生活を模索してきた私としては、ただの模様替えにする
わけにはいきません。

 これぞ、この1年間自身が経験してきたサステナブルな生活の一端を、
都心に持ち込む絶好のチャンスではないか!と。

 そして、実践してみたら何が起きるか、「マイ実証実験」として
やるならトコトンやってみることに決めました。

 そこで、私は以下のように進めようと考えました。

●マイ実証実験ルール
①まず、引っ越したてのように、最大限モノを捨てて、部屋を空っぽにする。
 (一旦、大量のゴミを出すのは、今回だけお許しください・・・)

②プロの清掃業者さんにお願いして、隅から隅までピカピカにしてもらう。

③熊本県の国産い草の畳を敷き詰める。

④家具はすべて、飯能の無垢の木で、自らの手で、汗を流して作る。

⑤何か買う時は、国産のものを買う。

⑥金属・プラスチック製品は極力買わない。

⑦値引き交渉はしない。地方へのお金の還流を喜ぶことにする。

⑧思い出の品だけは残す。キレイにファイリング等を行う。

⑨カバン一つで生きていける。いつどこへでも行ける身軽さを確保する。


 上記の取り組みは道半ばですが、今のところ感想・変化は以下の通りです。

●実証実験の感想・変化

1)生きるために本当に必要なモノは、ほとんどない。

2)玄関のドアを開けると、毎日い草の香りがふわっと。癒し効果がすごい。

3)手作りの無垢の木の家具は、ついつい撫でたくなる。大事に使う。

4)国産にこだわればこだわるほど、どんどんお金が減っていく。

5)思い出をすぐ取り出せるようになって、旧友に連絡するきっかけになった。


 コロナ禍以降、オンラインで概念論を延々と話し合い、感想を述べ合うだけで
何も実行に移されないシーンが多いと感じます。また、実態のない作られた
動画をSNSで見て、実際はガラス板を指で叩いているだけで現実世界への変化は
何も起こしていないことが多いと思います。

 8月9日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、
今後20年以内に産業革命前からの気温上昇が1・5度に達する可能性があるとし、
さらには、このまま化石燃料に依存し続けた場合、世界の平均気温は
2100年までに4.4度上昇すると警告を発しました。

 「マイ実証実験」は、地球規模の影響には焼け石に水ですが、
だからといって、概念論をいつまで話し合っても、前に進みません。
都心でも、地方でも実行することに重きを置いて、
大したことのない感想だったとしても、「実行した者の事実」として
世の中に事例を共有していきたいと最近は感じるようになりました。

 皆さまも、小さな「マイ実証実験」から始めてみましょう。


編集後記


 普段、パソコンとケータイを武器に仕事をしている私が、
いざ立体的な家具を作ろうと思うと、縦横奥行きの組み合わせや位置関係が
全くわかりません。これぞ空間認識能力というものですね。

 幼い頃は、岩手の田舎で、山猿のように山の中を駆け回っていたのに、
そんな自分でもこのザマです。自分がいかに偏った脳の使い方をしているかを
実感して、愕然としました。ましてや、現代の子供たちは・・・。

 情報の洪水に溺れず、叩かれることを恐れず、実行することに重きを置いた
人材を増やすためには、それをただ見守ることができる器量・寛容さを
持ち合わせるべく年上世代こそが自己成長することが必要なんだと最近思います。

 それでは、次回もお楽しみに!

田中 裕也