2021.8.25号 VOL.101
色のイメージの普遍性と多様性
こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。
パラリンピックが始まりましたね。恥ずかしながらパラリンピックのシンボルマークを
私は今回初めて意識して見ました。
このシンボルマークは「スリーアギトス」といい、日本パラリンピック委員会によると、
「アギト」とはラテン語で「私は動く」という意味で、困難なことがあっても
あきらめずに、限界に挑戦し続けるパラリンピアンを表現しているということです。
昨日はブルーインパルスが「スリーアギトス」に使われている赤、青、緑のスモークを
噴出して飛行しましたが、この3色は、「世界の国旗で最も多く使用されている色」
ということで選ばれたそうです。
でも私は、色自体のイメージも関連しているのではないかと思い、もう少し調べてみることにしました。
そんな訳で、今回は色に纏わるお話しです。
それでは、『 真価と進化 2021.08.25号』、最後までお付き合いください。
色のイメージの普遍性と多様性
パラリンピックに対し、オリンピックのシンボルマーク五輪は、
重なり合った5つの大陸の結合が表現されていて、
大会に全世界から競技者が集まることを象徴しているとのこと。
そして五輪の色の採用理由はというと、「下地の色である白に青・黄・黒・緑・赤
の計6色で、世界の国旗のほとんどを描くことができるから」と、考案者のピエール・
ド・クーベルタン氏が書き残しているそうです。
どちらのシンボルマークの色も各国の国旗由来だったのですね。
んー、特に色自体のイメージは関連していないようです。
それでも私は、シンボルマークの「色」が気になって仕方ありません。
青・黄・黒・緑・赤といえば、戦隊ヒーローものによく使われている色だなと
思うのは私だけではないのではないでしょうか?
1975年放送開始の『秘密戦隊ゴレンジャー』が戦隊ヒーロー第一号と言われています。
先輩ヒーローの『仮面ライダー』が「1人で敵と戦う」のに対し、「複数で敵と戦う」ので、
それぞれの戦士の個性を視覚的に出せるスーツの色分けは効果的でした。
「当時のカラーテレビ普及率が90%を超えていた」などの当時のテレビ事情もあるようです。
『ゴレンジャー』は、赤・青・黄・緑・桃でしたが、いつからか黒も多く登場するようになりました。
色には、あるイメージや雰囲気、感情などを喚起させる効果がありますが、
ヒーローたちの色のイメージは下記のようなものです。
赤:情熱、活力、興奮、高揚
青:知的、落ち着き、信頼感、誠実、爽快感
黄:愉快、元気、軽快、希望、無邪気
緑:安らぎ、癒し、調和、安定、若々しい、健康、やさしい
桃:可愛い、幸福、愛情
黒:高級感、重厚感、威厳
ヒーローの代表的なキャラクターと照らし合わせるとどうでしょうか。
赤:リーダー、熱血漢
青:知的、クール
黄:明るい、ムードメーカー
緑:バランサー、癒し
桃:性格云々というよりかは、性別を表すための色という使い方をされているようです。
黒:一匹狼的、すごく強い
オーソドックスな色のイメージが、そのままキャラクターの性格に反映されています。
それぞれの長所や得意技を生かしつつ、共に力を合わせることで巨大な悪をやっつけるという
"グループ"ヒーローのコンセプトは、子どもたちに「共に助け合う"友情"」や
「協力して大きな目標を達成する"団結"の心」を教える役割を果たしてくれています。
五輪マークの色のイメージのキャラクターが揃っていたら、強い組織になりそうです。
私は、青に憧れますが、緑あたりでしょうか。皆さんの組織ではいかがですか?
とはいえ、十人十色というように、無理やりカテゴライズすることもないと思います。
事実、戦隊ヒーローのカラーは、2021年現在、先述の色に加え白・銀・金・
橙・紫・臙脂・紺・灰・水・茶の16色もあるそうです。実にカラフル!
クールな性格の黄、リーダーを務める緑が出てくる作品もあるとのこと。
多種多様な人々が認め合い協力し合って、ものごとを成していくドラマになっているのですね。
色のイメージには普遍性があるものの、どんな使われ方をしたっていい!
このように調べて知っていくと、オリンピックやパラリンピックの主旨からして
シンボルマークの個々の色に意味付けしていないのは、敢えてなのではないかと思えてきます。
コロナ禍での開催で賛否両論がありますが、せっかくの自国開催、
勝敗や記録だけでなく、選手の方々の個性、バックグラウンドにも注目して観たいと思います。
参考資料
・カラーコンサルタント岩崎沙織さんのブログ
https://ameblo.jp/saoringo0408/
・戦士の色(スーパー戦隊シリーズ)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36433.html
編集後記
知識不足のスポーツを観戦する際には、実況や解説にとても助けられます。
実況・解説にも個性があり、先日のオリンピックでは、特にスケートボード解説が話題になりました。
皆さんは増田明美さんの解説をお聞きになったことはありますでしょうか?
ロサンゼルス五輪女子マラソン代表で日パラ陸上競技連盟会長でもあるので
選手側の立場での競技に関する解説はもちろんのこと、許可取っているのかしら?と
心配になるほどのプライベートに纏わる小ネタが満載です。
それにより、まるで親戚や友人を応援するかのような気持ちで観ることが出来ます。
競技に加え、解説も楽しむといった観方も乙ではないでしょうか。
それでは、次回もお楽しみに!
稲村 祥子