2021.8.4号 VOL.99
友からの刺激
こんにちは。株式会社シンカの村井と申します。
「United by Emotion」
国籍や文化が違っても、スポーツを通して心を一つにしようという想いが
込められた東京オリンピックも終盤となりました。
コロナ対策はじめ、ボランティア問題、交通への影響、環境配慮、
暑さ対策など、様々な問題がある中で開催されたましたが、
開催したからには、この東京オリンピックに全てをかけて臨んでいる選手達
を応援したいという気持ちが国民の一体感を高めているように思います。
それでは、『 真価と進化 2021.08.04号』、最後までお付き合いください。
友からの刺激
学生時代 共にラクロス部で汗を流してきた同期が19名います。
その中で私を含む3名だけが都内の下町エリアに住むメンバーでした。
卒業後、3人の誕生月をめどに集う「下町密会」をうん十年続けています。
このご時世、物理的距離では なかなか密になれないのですが…。
下町密会はリーダーのM美のおかげで毎回刺激的な時間になります。
「私、また、女子大生になりました!」
と陽気に話すM美は外資系IT企業に勤める下町の宝石店の娘です。
MFA(Master of Fine Arts)を目指し4月から大学院に通い始めたそうです。
なんでまたマスターを目指す決心をしたのかと尋ねると、
「だって、VUCA(ブーカ)と呼ばれる不確実性と複雑さが増していく社会、
こんな予測不可能な変化を生き抜いていかなきゃだし、
人生100年時代だよ、この先も稼ぎ続ける力を身につけたいと思って。」
「MFAは今の仕事のスキルに直結するスキルではないし、アートという
難しい分野だけど、今後の人生のためにも挑戦したいなと思って。」
「今、『VUCA(ブーカ)』って言ったよねそれは何だ?」
「最近よく使われる造語だよ。
・Volatility(ボラティリティ:変動性)
・Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)
・Complexity(コムプレクシティ:複雑性)
・Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)
頭文字から、将来の予測が困難な状況を示す造語ね。」
「へ~、初めて知った。勉強になったわ。」
そんなやり取りを繰り返して、下町密会を過ごしました。
その日の夜、「今日は楽しかったね」というメッセージと一緒に
「私の入試論文、読んでみて!」と論文が送られてきました。
参考文献の数にも驚きましたが、よく仕事しながらこんな論文を書き上げた
ものだど、リスペクトしかありません!
ビジネス環境の変化を敏感に感じ、自分で考え行動できるM美。
いくつになっても活躍できる社会を実現するために、仕事と学びを繰り返す
「レカレント教育」を主体的に受入れ、アクションに起こしています。
また、私たち友人に対してもその必要性を伝え、説いてくれました。
もう一人の下町密会メンバー保育士のE子もまた、
「保育者は学び続けることが大切と実習生に言っておきながら、
私自身は日々の仕事や生活に追われ、なんらできてなかったわ。
反省しながら、知らない言葉を調べつつ、論文を最後まで読みました!」
と連絡をくれました。
良い友人はお互いに良い刺激を与え合う事が出来る存在なんだと思います。
どちらか一方ということでなく、互いにとってそういう存在となる。
私も刺激を与えてくれる良き友人に恵まれたことに感謝して、
自分の内側にある強い興味や関心に基づいて、やりたいことを見つける。
年齢や環境を言い訳にせず、何度でも学び直して進化していきたいと思います。
編集後記
さまざまな競技で、十代の若い選手の活躍を目にする東京オリンピック。
オリンピック開催と並行して、近い将来オリンピック選手と成りうる学生が
夏のインターハイや夏の甲子園に向けた予選で熱戦を繰り広げています。
この夏、高校見学や部活動体験を通じて高校生の現状にふれる機会があり、
止まらない感染拡大、先の見えない不安の中で、制限された環境の中で、
自分達ができることを信じて頑張り続ける様子がどの学校でも見られます。
一日も早く、安心して思いっきり活動ができる日が訪れて欲しいと
心から願っています。
それでは、次回もお楽しみに!
村井 一美