シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

← 一覧にもどる
2021.3.31号 VOL.82
いま「働く喜び」を実感している人

こんにちは。株式会社シンカの松本と申します。

先日、東京での桜の開花が発表されましたが、
社内での能力の開花に頭を悩ませた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

4月は組織編成や人事異動、新入社員の配属の時期でもあります。

そこで、今回はリクルートキャリアの「働く喜び調査」を通して、
社内の蕾を発見するきっかけとしていただければと思っております。

それでは、『真価と進化 2021.3.31号』最後までお付き合いください。



いま「働く喜び」を実感している人


本調査は、リクルートキャリアが「働くことを通して、喜びを感じているのか?」
を把握するためのアンケート調査を実施したものです。

<調査概要>
・実施期間:2020年度:2020年12月23日~2020年12月28日
      2019年度:2019年12月12日~2019年12月17日
・調査対象:15歳~64歳の就業者 
*標本設計:全国の15歳~64歳の就業者を母集団とし、
 性×年代(10歳刻み)×就業形態(3区分)×居住エリア(4エリア)で母集団構成に合うように回収
 ※母集団のデータソース:総務省統計局「労働力調査」(平成24年~平成30年)
・回答数:2020年度:9,350名/2019年度:5,467名
・調査方式:インターネット調査

■「仕事をする上で、働く喜びは必要である」と思っている人は83.9%。
  新型コロナウイルス禍で、働く喜びを感じている人は42.3%

Q、仕事をする上で、働く喜びは必要だと思いますか?
  とても必要だと思う  19.4%
  必要だと思う     37.5%
  やや必要だと思う   27.0%
  どちらともいえない  12.7%
  あまり必要だと思わない  1.9%
  必要だと思わない     0.5%
  やや必要だと思う     0.9%

Q、あたなたは、この1年間、働くことに喜びを感じていましたか?
  非常に感じている     4.6%
  感じている       13.7%
  やや感じている     24.0%
  どちらともいえない   25.7%
  あまり感じていない   16.3%
  感じていない       8.1%
  全く感じていない     7.7%

■「飲食店・宿泊業」従事者の働く喜びが前年比で大きく減少

「この1年間、働くことに喜びを感じていた」人の割合は
2019年全体では44.5%でしたが、 新型コロナウイルス禍となった2020年度は42.3%で、
-2.2ptの微減という結果でした。
中でも「飲食店・宿泊業」従事者の働く喜びが前年比-18.4ptで大きく減少しています。

その他、増減は下記の通りです。

(増加)
運輸業、教育・学習支援、情報通信業、建設業、鉱業等

(減少)
農林水産業、金融・保険業、医療・福祉、コンサルティング業、不動産業、人材サービス業等

■新型コロナウイルス禍でも働く喜びを実感している人の傾向

① 自分の持ち味を発揮し、仕事の意味や意義を自分で「捉え直す」ことができている

新型コロナウイルス禍でも自分の持ち味を発揮している人は、
働く喜びを実感し成果を上げている。
また、自分の持ち味を自覚する人は、仕事の意味や意義を自分で「捉え直し」することができ、
結果として働く喜びを実感できている。

② 仕事や職場だけに閉じず、視界を広げて、複数の自分の居場所を持っている

・62.1%「これまでにやったことがないことを試しにやってみる」人
・61.4%「仕事で困ったことがあった時に相談できる人が社外にもいる」人
・63.6%「仕事上、興味を持った人には、面識がなくても積極的に接点を持とうとしている」人
・52.1% ワーキングマザー
・50.0% 副業兼業している人

など、仕事や職場だけに閉じず視界を広げ、複数の自分の居場所を持っている人が、
喜びを感じている割合が高い(全体平均42.3%に対して、+8~20pt)。

③テレワーク環境下で働く喜びを実感している人は、特定のスキルを持ち、
自分で働き方をコントロールできている

新型コロナウイルス禍で、テレワークを行う人も多くなってきているが、 テレワークをし
ている人はそうでない人に比べて働く喜びを感じている割合が5pt増えている。
(「この1年間、働くことに喜びを感じていた」人の割合 テレワークをしている人45.5%:
していない人40.5%) 中でもテレワークの日や時間を自分で選ぶことができる人のほうが、
そうでない人に比べて働く喜びを感じている割合が+13.4ptとなっている。

今回の調査結果の中で、
個人的には、「働く喜び」を実感している人の傾向として①に非常に共感しました。
特に自分で「捉え直す」という点です。
日々多くの情報に触れ仕事をしているからこそ、感覚的に分かったつもりにならず、
自分で噛み砕いて捉えていきたいです。

また、同調査では、
働く喜びを感じている人と感じていない人では「新たな職場・転職先を探すことになった時
に望む条件」の内容に差があることも見えてきています。

働く喜びを感じている人は「勤務時間の考慮」「仕事持ち帰り可」「託児所」「イベント活動」など
(★)より自分に合った仕事上の「快適な環境」を獲得しようとする傾向があり、働く
喜びを感じていない人は「休暇」「交通費」「定時退社」など
(★)仕事以外の条件向上を望む傾向があるようです。

現在では、就業者の約4人に1人が、自分なりの「働き方」を掴もうとしていると言われています。

どんな環境下でも、「働く喜び」を感じられる人はいます。
そのような人に目を向けることで新たな組織としての課題を発見できるかもしれません。


▼参考
・リクルートキャリア「働く喜び調査」
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2021/210329-01/

リクルートキャリア【働く喜び調査2020レポート】概要版
https://www.recruitcareer.co.jp/news/20210329thn0k.pdf


編集後記


「働く喜び」を高めるためには、
「仕事に対する自分の気持ち」を開示することも効果的であると考えます。

具体的には、下記のような内容です。
・やりがいを感じる仕事について
・仕事における自分の強みと弱みについて
・仕事ぶりを他の人(同僚、上司、など)から賞賛されたときの自分の気持ちについて
・現在持っている目標や将来の希望、キャリアビジョンについて
・生涯において成し遂げたいことについて

「働く喜び」について、
自分と向き合うことももちろん大切ですが、時には誰かと会話することで意表を突かれる
こともあるかもしれません。

少なからず、私は一本取られました。

それでは、次回もお楽しみに!

松本 来杏