シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2020.11.26号 VOL.66
採用担当者を惑す2022年卒の「買い手市場」

こんにちは。株式会社シンカの新井と申します。

先週まで続いた秋晴れから、今週はぐっと寒くなって冬の到来を予感させます。
温かい食べ物が一層楽しみな季節になってきました。

それでは、『 真価と進化 2020.11.26号』、最後までお付き合いください



採用担当者を惑す2022年卒の「買い手市場」


文部科学省と厚生労働省が17日に発表した2021年卒の就職内定率は
リーマン・ショックに次ぐ下げ幅で、加藤勝信官房長官が記者会見で
「第2の就職氷河期世代をつくらない」と言及し大きく報道されました。

2021年卒の採用市場を振り返ってみると、
今年7月のディスコ社調査(*1)では「昨年より採用人数を減らす」という企業は
27.6%に上り、「増加」を 12.6ポイント上回りました。
同2月の調査では、「増加」が「減少」を上回っていましたが
この7月調査で逆転します。

このような採用抑制の動きから売り手市場とは言えなくなり
リクルート社(*2)の6月の調査では1.53倍の有効求人倍率に落ち着いています。

規模別にみると、全ての従業員規模において採用意欲は減退しています。
特に300~999人の企業の求人総数(*2)は、▲17.9%(前年度比)と最も減少。
また、従業員規模1000人未満の企業を希望する学生は前年比で
44.7%増加しましたが1000人以上企業を希望する学生は28.8%減少し
買い手市場ではしばしば見受けられることですが、
大企業から中堅・中小企業へシフトしていることが分かります。

以上のことから、売り手市場から買い手市場へトレンドが
変化しているとは言えるでしょう。

しかし、そもそも少子化の時代。
マイナビ社の調査(*3)では、採用担当者の2022年卒の採用活動の印象は
「厳しくなる」が減少傾向であるものの、「今年度並み」が最も高いです。

実際、リクルート社の調べ(*2)によれば、
2021年卒の全国の民間企業の求人総数は、
前年の80.5万人から68.3万人へと12.2万人減少(対前年増減率は▲15.1%)。
かたや、学生の民間企業就職希望者数は、
前年44.0万人から44.7万人へと0.7万人増加(対前年増減率は+1.7 %)。
就職希望者数に対して、求人総数が23.6万人の超過需要です。
ちなみに、就職氷河期真っただ中の2000年卒は求人倍率0.99倍と1を切る低さでした。

つまり、2022年卒は「売り手市場」の鎮静化と言えると思います。

採用担当者は、引き続き楽観視はできない採用の市況感の中で
オンラインツールが一気に広がったことへの効果的な戦略見直し、
新型コロナウイルス感染防止対策、景況感からくる経営陣からの
採用方針変更や政府方針への対応力が求められます。
それはコロナを契機として決定的な変化をした採用活動において
一層クリエイティブな思考が求められる転換期を迎えたと感じます。


(*1)株式会社ディスコ 「2021年卒・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2020年7月調査)」2020年7月(最終閲覧日:2020年11月25日)
https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/07/2021_chukanchosa_k-.pdf
(*2)リクルートワークス研究所「第37回ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)」2020年8月6日(最終閲覧日:2020年11月25日)
https://www.works-i.com/research/works-report/item/200806_kyujin.pdf
(*3)株式会社マイナビ「2021年卒企業新卒内定状況調査」2020年10月29日(最終閲覧日:2020年11月25日)
https://saponet.mynavi.jp/wp/wp-content/uploads/2020/10/2021_naiteijoukyou-2.pdf


編集後記


みなさん、「お刺身」と「お造り」は何が違うかご存知ですか?
スーパーで刺身を見て疑問に思ったので調べてみました。

なんだか「お造り」のほうが高級品そう。盛り合わせという意味もありそうです。
しかし、実は「お造り」とは、関西の言葉が転じて使われているそうです。

「魚の切り身」について
武家社会では「切る」という言葉が縁起が悪いと「刺す」という字を使い
それに対し、関西では魚を切ることを「つくる」と言っていたことから
「つくり身」と言い、転じて「お造り」と呼ぶようになったそうです。

私は「魚をつくる」というのは聞いたことのない表現だったのですが
今でも地域によっては使われているのでしょうか。

それでは、次号もお楽しみに!
新井 千春