シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2020.11.18号 VOL.65
木工体験での気づき

こんにちは。株式会社シンカの村井と申します。

秋も深まり、神宮外苑の銀杏並木も黄金色に色づき、今が見ごろです。
今年は残念ながら夜間のライトアップは中止されていますが、
休日の明るい時間帯に銀杏並木を見に行くのもよいのではないでしょうか。

それでは、『 真価と進化 2020.11.18号』、最後までお付き合いください。



木工体験での気づき


弊社「Aliveプロジェクト」の取組みの一つとして、
【施設内の家具・小物を現地西川材を使って社員みんなの手で作る】ことが
決まりました。

制作物は、各部屋用の看板、テッシュケース、キッチンの作業台の天板、
キッチン小物、下駄箱、すのこ、傘立て、脱衣所の棚、リンネ用の棚、等々が
リストアップされました。

これら全てを一からすべて自分たちで制作するのではなく、
現地の工房に全面的にサポートいただき、出来る部分を自分たちで作る企画です。

正直、プロジェクトリーダーからこのプランの発表があった時、
私は胸中でつぶやきました。
「え! 飯能でいつ作業するんですか~!」

そして秋のとある日、木工作業のため早朝から飯能へ出向くことになります。

国道299号沿いの山間にある『きまま工房 木楽里(きらり)』に到着し、
工房の入口から心地よい木の香りに包まれ、木を切る機械の音や、
木を削る機械の音、普段とは異なる空間に少し気持ちが上がってきました。

何回かに分かれ、調整できるメンバーから順次作業を進めていく中で、
当日は、ティッシュケースの仕上げ、傘立ての着手、おぼんの着手、棚の着手が
予定されていました。

私はその日で完結できそうな「おぼん」を率先して選び作業を始めました。

木楽里さんの方で図面どおりに材料のカットまで進めてくれるので、
しばし待っていると、おぼん制作に必要な木材が運ばれきました。

「じゃ、まず取っ手の部分を好きなようにデザインしてみましょうか。」

一瞬、固まる私。
  'おぼんの取っ手ってどんな感じだったっけ?

素材を確認しながら、自分が決めたことは
・取っ手部分は無垢の木材が映える、シンプルな曲線にする
・できるだけ使いやすさ(持ちやすさ)を意識する
・Aliveのロゴを入れる

簡単な「墨付け」作業を終えて、いよいよ機械加工に挑戦です。
電動工具のドリルと糸ノコ盤に、仕上げサンダーにチャレンジしました。

一番印象に残った電動工具は糸ノコ盤。
小学校の頃、美術室で初めて使った時の緊張感と懐かしさがよみがえってきました。

糸ノコ盤を前にして、テクニカルサポートをしてくださるスタッフの方から
機械の操作手順を教わり、「線より少し上を切っていってください」と言われ、
いざやってみると、力んで思うように線の上を切ることができない。
スピード調節と差し手の具合が微妙でかなりの集中力を要しました。
(まさかこの歳で再び糸ノコ盤を使う時がくるとは・・・。)

取っ手の曲線の切断、穴開けが済み、感触を確かめながらの手加工です。
何種類かの紙やすりを使い分けて、曲線のバランスや触り心地を確認しながら
やすりがけを進めていきました。
この時間は、ただただ黙々と無心で紙やすり作業に集中です。

ほどよい疲労と集中も切れそうな良きタイミングで、
「イイですね~。いい感じ進んでますよ。」と声かけしてくれるスタッフさん。
このちょっとした誉め言葉にパワーをもらい、またひと頑張り。

気づけば夕刻が迫り、ロゴの焼き印を終えるところまでを自分のゴールとしました。

Aliveのロゴをレーザーで焼き印している間、かすかに木が焦げた匂いと
浮かび上がってくるロゴをみながら、
シンプルな「おぼん」一つを作るにも、複数の工程があること。
実際にやってみると想像よりも難しく、そして奥が深いことへの気づきが
あった一日を振返っていました。

■こちらが完成した「おぼん」です ↓
https://www.shinka.com/pdf/alive_tray.pdf

※最近Aliveに行ったメンバーに撮影してもらったものです。
 オープンからみなさんに活用されてちょっと傷もついていますが、
 自分が手掛けたおぼんは、やはり愛着がわきますね。

最初はちょっぴり後ろ向きな気持ちで取り組んだ木工作業でしたが、
このような機会に恵まれて、新たな気づきを得る経験ができました。

編集後記


木のぬくもりやモノをつくることの楽しさ、奥深さに気づかされた木工体験。
実は一番の気づきは「褒める効果」の気づきです。

テクニカルサポートスタッフの林田さんのサポートの仕方や声がけに
やる気が出た自分を確かに自覚しました。
この日以降、母として息子たちに対し「それくらい当たり前」と思わず、
(いいじゃん。すごいね。がんばったね。)と認める言葉を意識的に
かけるように心がけています。

それでは、次号もお楽しみに!
村井 一美