2020.10.28号 VOL.62
『10枚のカードの使い方』がその人の人生を表す
こんにちは。株式会社シンカの四戸と申します。
日ごとに秋らしさが増して、過ごしやすい気候となってきました。
いよいよ東京発着の旅行も「Go To トラベル」に加わり、
今が見ごろの紅葉を楽しまれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
くれぐれも感染対策を怠らず、短い秋を楽しみたいですね。
それでは、『 真価と進化 2020.10.28号』、最後までお付き合いください。
『10枚のカードの使い方』がその人の人生を表す
突然ですが、「意志力」と言う言葉を皆さまはご存知でしょうか?
「意志力(ウイルパワー)」とは、注意力や感情、モチベーションをコントロール
する能力で、脳の前頭前野にある認知を制御する実行機能や
やる気を制御する報酬系などに関係しているそうです。
集中力を持続させて仕事の成功や人間関係を良好にするためには、この意志力
をいかに枯渇させないかが重要だといわれています。
しかし、「枯渇させない」という言葉にあるように
人間の意志力は無尽蔵に発揮できるものではありません。
どのように限りある意志力を発揮して成果を生んでいけばよいのか、
本日はこのテーマに関して
『ざんねんな努力』(川下和彦/たむらようこ著)という一冊を元に
ご紹介できればと思います。
『ざんねんな努力』は、がんばっているのに上手くいかない主人公が
世の中の「がんばらない人々」から努力せずに成果を生み出す工夫や発想の
転換方法を学ぶ物語です。
本書の中では、意志力のことを
「人間は本当に物事を決める集中力は1日に10回分しかない。つまり
1日に自分に与えられた意思決定カードは10枚しかない。」
とカードになぞらえて紹介しています。
スティーブ・ジョブスは毎日決まった黒い服を着ていたという逸話は
皆さんもご存知かと思いますが、
私たちには「時間が有限だ」という認識はあっても「集中力が有限だ」という
認識は希薄になりがちなのではないでしょうか?
私たちは日々無意識的に「がんばること」で物事を上手く進めようとしてしまいます。
しかし、そうではなく自分の最大限の集中力を何に発揮したいのか?
その為に何を「仕組み化」して無意識的に進められるようにするのか?
を考え、優先順位をつけることが重要であると思います。
「10枚のカード」について、同書の中では以下のように文章が
続きます。
「10枚のカードの使い方こそ、その人の人生だと思う。
お洒落したい人はお洒落に使えばいいんだよね、そのカードを。
(中略)
僕は雑誌の編集者だから、どんな企画を通すとか、この特集をやろうとか、
そういうことに10枚のカードを使いたいんだ。」
新型コロナウイルスの登場がこれまでの働き方ひいてはご自身の生活に
ついても見直すきっかけとなった方も多いと思います。
仕事場と家庭の境界が物理的にも心理的にも曖昧となり、
これまで「意志力」に頼って仕事をしていたが自分でコントロールできる
ようになったと感じる方もいれば、「10枚のカード」をどの場面で切れば
いいのか分からなくなってしまったという方もいると思います。
会社で働く以上、生産性を上げること・成果を出すことは大前提となりますが
ご自身の「頑張り方」を棚卸するきっかけとなりますと幸いです。
<参考>
「ざんねんな努力」川下和彦/たむらようこ著 (2018,アスコム)
「意志力(ウイルパワー)の脳機構と身体運動」征矢英昭,西島壮(2018)
編集後記
私は毎年この季節になると、落語の「目黒のさんま」という演目を
観たくなります。
庶民の魚と言われたさんまも近年の不漁続きで食卓から遠ざかっていますね。
漁獲量を規制することで、長くさんまの味を楽しめるようになることを
祈るばかりです。
それでは、次号もお楽しみに!
四戸 裕歩