2020.09.09号　VOL.55
特別じゃない防災


こんにちは。株式会社シンカの稲村と申します。

この度の台風10号におきまして、被災された皆様には、
謹んでお見舞い申し上げますと共に、
皆様の安全と、一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

今回の台風は未曽有の勢力ということで、だいぶ早くから気象庁や国交省から
注意喚起があり、対策を講じることで被害を少なく抑えられたのではないでしょうか。
折しも先週は防災週間でもありました。
ここであらためて、いざという時に慌てない防災について考えてみたいと思います。

それでは、『 真価と進化 2020.09.09号』、最後までお付き合いください。

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特別じゃない防災


皆さんはご家庭で、会社で、どのような防災用品を揃えていらっしゃるでしょうか。
防災用品とは言え、その時にしか使えないアイテムだけではなく、
ふだん使いできるからこそ、いざという時もうまく使いこなせる
そんな防災グッズや、新しい防災のスタイルが注目されています。

防災用品の代表的なものに非常食があります。
はじめに揃える場合は、長期保存のおすすめ品がセットになったものを
購入するのも良いと思います。私自身も持っております。
しかしながら、買ったきりで安心し、長かったはずの賞味期限が切れてしまったり、
クローゼットの奥にしまい込んで、パッと取り出せないのでは意味がありません。
好きなレトルト食品、缶詰、パスタ、お菓子などを多めにストックし、
買い足しては食べることを繰り返す「ローリングストック法」なら、
日常の延長で非常時に備えられます。
それを食べる日が非常時ではなく、嬉しいことに日常であるなら、
お祝いにちょっと贅沢なアレンジを加えて食べるのも楽しいと思います。

もし、アウトドアを趣味にお持ちであれば、そのまま防災グッズになるものが
多くあります。電気やガス、水道を使わずに、防災グッズを使って家で過ごす
「おうちキャンプ」をしてみて訓練するのはいかがでしょうか。
訓練とはいえイベント感満載なので、大人も子供もワクワクして臨めるでしょう。
アウトドアグッズや防災グッズをお持ちでなくても、まずは家の中にあるものだけで
やりくりしてみましょう。そうすると必要なものが分かり無駄なく買い足すことが出来ます。

避難所を利用することもあるかも知れませんが、必ずしも専用の「非常用持ち出し袋」を
用意する必要はないと思います。さっと持ち出せることが大事なので
お気に入りのリュックサックにいれて普段から傍に置いておいてはどうでしょうか。
体拭き用のシートは避難所などでは無香料のものが良いのでしょうが、
好きな香りのものを1パックだけ入れて置いて、気分転換に使えるようにするとか。
このようなグッズも干乾びてないかチェックしてローリングストックする必要があります。

インテリアブランドから防災グッズが出ているのも嬉しいですね。
オブジェのような懐中電灯、おしゃれな形は持ちやすさを計算したものだったりします。
ナイトライトを持ち運び可能な充電式ランタンにするもの良いですね。
普段から使うようにしていれば、放電による電池切れや接触不良の心配は少なくなります。
今回の台風10号では停電の被害が広範囲で長く続いています。
大容量の非常用電源があれば心強いですが、小型のポータブルバッテリーであっても
最低限の連絡・情報収集のためのスマホの充電には役に立ちますので、
バッグに一つ入っていると安心です。
普段の持ち物に、振ると冷たくなるタオルやアルミシートを追加したり
キーホルダーをホイッスルにしたり、少しだけ防災目線を取り入れてみてはいかがでしょうか。

防災を特別なものではなく、「生活習慣」にしていくことが必要だと思います。

稲村　祥子