シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

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2020.08.26号 VOL.53
副業が企業にもたらすメリットとは?


こんにちは。株式会社シンカの新井と申します。

列島各地で猛暑が続いています。
今年はマスクも着けているため、一層暑さを感じますが
屋外で人と十分な距離が確保できる場合には
適宜マスクを外し体調管理に気を付けていきましょう!

それでは、『 真価と進化 2020.08.26号』、最後までお付き合いください。



副業が企業にもたらすメリットとは?


2018年は副業解禁元年と言われ、それを機に副業を認める企業が増えましたが
その副業にはメリットもデメリットもあるようです。
企業の人事担当者1,000名および働く個人3,569名に対して
パーソル総合研究所(*)が実施した副業・兼業に関する調査結果から見てみましょう。

■半数の企業が副業・兼業を容認
現状、副業容認派と禁止派は真っ二つに分かれる状況。
 13.9% 「全面的に認めている」
 36.1% 「企業が設定した条件をクリアした場合に認めている」
 50.0% 「全面的に禁止している」

■容認派企業が実感するメリット
社員についてだけでなく、事業への効果も実感する企業が半数程度ある。
 離職防止 50.9%
 人材採用 45.9%
 モチベーション向上 50.3%
 スキル向上 49.7%
 新規事業の創発 44.7%

また、個人側でも副業実施による本業の会社へのロイヤリティや、
本業の仕事に対するパフォーマンスが高まっていると感じる層の方が多い。

■デメリットは何か?
全面禁止する企業が挙げる、その禁止の理由は以下の通り。

[企業が副業・兼業を全面禁止する理由]
 1位 従業員の過重労働に繋がるから
 2位 自社の業務に専念してもらいたいから
 3位 疲労による業務効率の低下が懸念されるから
 4位 情報漏洩のリスクがあるから
 5位 労務管理等の事務管理が煩雑になるから

これらのデメリットは、副業を「条件付きで容認」している企業より
「全面容認」している企業であればあるほど、実際に発生しやすいという結果になった。

■企業がさらにメリットを感じるには?
企業から副業へのフォローを受けている副業者は
本業の仕事に対するモチベーションやロイヤリティが上がっており
企業はこのフォローを行うことで、副業・兼業に対するメリットを
より強く感じていることも調査から明らかになった。

[企業が行っているフォロー]
 ・会社による副業の労働時間の把握
 ・副業のやり方などについてのアドバイス
 ・社内ツールを使用した全社への共有

今回の調査結果から見た副業が企業にもたらすメリットをふまえると、
「副業・兼業制度を導入するべき企業」が見えてくるように思います。

この調査における「個人の副業の動機」の上位に
「収入補填目的」、「スキルアップ目的」がありますが
給与水準がそれほど高くなく、社員を育成する余裕がなく育成制度が整っていない
企業規模でいうと、ずばり中小・中堅企業は積極検討する余地はありそうです。

副業・兼業は、企業が提示できない給与分を、個人自ら仕事を探し収入を補填して
育成にかかるコストも個人・社外にアウトソースできる仕組みと言えるのではないでしょうか。
さらに、企業が本業と副業を両立できるようなフォローも行えば
ロイヤリティやモチベーションアップ、離職予防の効果も期待できそうです。

<参考>
・パーソル総合研究所シンクタンク本部「副業の実態・意識調査調査報告書」
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/files/sidejob.pdf
・パーソル総合研究所「副業・兼業を企業は容認すべきなのか?
 ~副業・兼業のメリット・デメリットを徹底調査~」、2019年5月21日公開
https://rc.persol-group.co.jp/column-report/201905210001.html
編集後記

今まで私の周りには、副業・兼業をしている人はほとんどいませんでしたが
コロナ禍で給与カットによる収入補填などの理由から
副業・兼業を始める友人がちらほら出てきました。

あるサウナ好きの友人は、好きなサウナがある銭湯で清掃アルバイトを始めました。

初夏の頃は「給与が減って、貯金が減っていく」と苦い顔でしたが
今月会った時は「さっきサウナに入ってきた(=バイトに行ってきた)!」と。

辛い時でも、趣味と実益を兼ねるアルバイトを探して楽しむ友人のタフネスさに感服です。

それでは、次号もお楽しみに!
新井 千春