シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2020.07.22号 VOL.48
「問い」と「質問」の違いはなんですか?


こんにちは。株式会社シンカの四戸と申します。

連日の雨続きで、今週末の4連休も全国的に生憎の天気となるそうです。
熊本をはじめとする九州豪雨における災害におきまして、
被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げますと共に、
皆様の安全と、一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

それでは、『 真価と進化 2020.07.22号 』、最後までお付き合いください。



「問い」と「質問」の違いはなんですか?


企業課題を突き止めるために私たちコンサルタントは
営業活動の中で、顧客へのヒアリングを日常的に行っています。
ヒアリングによる情報収集の中で
コンサルタントは自らの仮説の妥当性を図り、入手した情報から新たに問題点を推察しています。
このような、スキルはなくてはならないものですが
一方で、私は後輩である新入社員とコミュニケーションをすることが多くなったことで
課題を特定するために仮説の検証を行うヒアリングと、
個人の悩みにフォーカスをあてた面談では
異なるアプローチが必要なのではないかと考えるようになりました。

そこで、相談事や面談の際に、聞き手/話し手としての
マイルールを設けてみることにしました。

1)悩みの内容を予測しない
→相談を受ける側として経験を活かしてアドバイスすることは必要だと思います。
 しかし、後輩と話すときは特に先入観を持たないように意識しなければならないと
 感じました。

2)相手の発言を過剰に褒めない/けなさない
→聞き手側の「こうすべき」が先行して、相手が考えたことに対して
 分かりやすく賛成・反対の態度をとってしまうことがあります。
聞き手の反応によって話し手の考えをコントロールすることがないよう
意識したいと思います。

3)相手に「なるほど」と言わせようとしない。
→相談をされる時、頼りにされているからこそ有益なことを言いたいと思い、
ジャストアイデアをいくつも並べてしまうことがあります。
その場限りの「なるほど」が生まれることよりも
相手がじっくり考えるきっかけを与えられるように意識したいと思います。

これらのマイルールを実践してみつつ、まだしっくりくるスタイルを見出せなかった私は
「問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション」(安斎勇樹 著)
という書籍から新たな学びを得ましたので一部紹介させていただきます。

本書の中で「問い」とは対話を通して相互の認識と関係を編みなおすための媒体であると
定義されており、問いと質問、発問の違いを以下のようにまとめています。

質問:情報を引き出すトリガー(問う側:答えを知らない 問われる側:答えを知っている)
発問:考えさせるためのトリガー(問う側:答えを知っている 問われる側:答えを知らない)
問い:創造的対話を促すためのトリガー(問う側:答えを知らない 問われる側:答えを知らない)

「質問」「発問」「問い」は話者を変えて対話の中でも
入れ替わるものだと感じます。

例えば、前述した新入社員とのコミュニケーションについて
悩んでいる内容がビジネススキル獲得や業務内容のことであれば
先輩の私が答えを知っている内容であれば、相手に「考えさせること」を意識して
導くような「発問」が必要であると言えます。
一方で、個人の内面的な悩みや心理的な不安について相談されるような場合は
問う側も答えを持っているわけではありません。
どうしたら本人が解決策を導き出せるのか、不安な状態から脱却できるのかを
考え、時には仮説を持ちながら「問い」かける姿勢が重要です。

これらを踏まえて、前述したマイルールを振り返ってみると、
いずれも「問う側(私)が答えを知っていることが前提」だったなと
思います…。

アフター/ウィズコロナ時代において、これからより一層
不確定な答えの見えない「問い」が多く投げかけられることでしょう。
よい「問い」と「対話」を生み出せるよう学んでいきたいと思います。

参考:『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』
(安斎勇樹,2020,学芸出版社)

編集後記

これから夏本番を迎えるにあたって、我が家では
家庭用の生ごみ処理機を購入しようかと検討しています。
生ごみを乾燥させて臭気を防ぐタイプや
微生物に生ごみを分解させて堆肥に変えられるタイプが一般的なようで
自治体によっては生ごみ処理機導入の助成金制度もあると
初めて知ることができました!
制度を活用して、ぜひ生活に取り入れたいと思います。
それでは、次号もお楽しみに!
四戸 裕歩