シンカメールマガジン
『 真価と進化 』

SHINKA Mail Magazine

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2020.1.29号 VOL.3
狩りに出るまでの長い道のり


こんにちは。株式会社シンカの菅原と申します。

寒さ厳しい折、皆様いかがお過ごしでしょうか?
翌週の2/4には立春ですが、まだまだ冷えこむ季節が続きそうです。
体調管理には十分お気をつけください。

そして、私事ではあるのですが、
昨年11月に狩猟免許の試験に挑戦したこともあり、
今回のメールマガジンは「狩猟」について徒然に書かせていただきました。

それでは、『 真価と進化 2020.1.29号』、最後までお付き合いください。


狩りに出るまでの長い道のり

弊社では、
「社会問題を解決することで、持続可能な社会を創造し、
私たち一人ひとりの幸福度向上を追求する」というミッションが掲げており、
これまで、オトナの社会科見学と題した視察研修や、
ソーシャルビジネスセミナーと題した交流会を実施してまいりました。

そして、会社としての活動だけではなく、
個人としても農業や地域活性に取り組む社員が出てきました。

そんな動きを見ていて、自分もなにか興味のある領域を見つけて、
実際に取り組んでみたいと思い至り、「狩猟免許の取得」に挑戦しました。


そもそも、狩猟に挑戦してみたいと思うようになったのは、
「自分で獲物を仕留め、解体し、料理するプロセスが楽しそう」「ハンターという肩書が格好いい」
というような、なんとなくの興味からでした。
しかし、調べてみると野生鳥獣による農・林業への被害は深刻な状況であり、
農業や林業といった地方の産業の維持の観点でも重要なテーマの一つだということがわかりました。

平成29年度には野生鳥獣により164億円もの農作物被害がでており、
未報告の農作物被害やシカが木の皮を食べてしまう事による林業の被害を加えると、
実際にはその5倍以上の被害が出ているという試算結果も出ていました。

また、2005年以降の猟師の数は20万人前後でほぼ横ばいなのですが、
免許をとっても狩りに出ない、「ペーパー猟師」の数が多く、
鳥獣の増加ペースに追いついていないという現状のようです。

では、なぜわざわざ狩猟免許を取ったにも関わらず、ペーパー猟師になってしまうのでしょうか。

試験官を務めていた現役猟師さんと、帰りの電車で一緒になった際に聞いてみたのですが、
ペーパー猟師が増えるのも頷ける、大きな壁があるようです。

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1. 免許取得
都内在住の方にとって、いちばん大変なのは"試験の申し込み"です。
自治体の指定する日に、申し込み窓口を訪れる必要があるのですが、
都庁では受付開始前から長蛇の列ができており、9:00の受付開始と
同時に行った私の申し込みが完了したのは14:00ごろでした。

試験そのものは自治体が筆記試験と実技試験対策の講習会を開いており、
丁寧なフォローを受けられることもあり、合格率は80%と高水準なのですが、
受験申し込みの枠が定員になってしまったため、受験できない方が大勢いらっしゃるそうです。

2. 狩猟用の銃の所持許可
警察署の生活安全課が主催する射撃教習を受け、
実射考査に合格すると鉄砲の所持許可申請をすることができます。
特に、この鉄砲の所持許可申請における心理的なハードルは高いようです。
鉄砲の所持許可申請の方法は自治体によって異なりますが、
友人、会社の同僚、隣人の氏名・電話番号を提出させ、素行に関して調査することもあるようです。

3. 猟友会での関係性づくり
資格があっても、ノウハウがなければ獲物を仕留めることはできず、
また、山に入るため危険もあります。
しかし、狩猟のノウハウを教えてくれる講師がいるわけではありません。
まずは猟友会に入り、先輩ハンターと関係性を作って、狩猟について教えてもらうのが一般的だそうです。
聞くところによると、上下関係の体質が強い猟友会もあり、
猟に出る前に、足が遠のくケースも多々あるとのことです。
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かく言う私も、無事試験には合格したものの、未だ猟には出たことがないのですが、
自分で獲った動物を捌いて食べることを2020年の目標にしようと思います!

面白い発見があればまたみなさまにお届けできればと思います。

乞うご期待ください。

編集後記

昨年11月に、ジビエバーベキューイベント「週末のジビエ」に参加してきたところ、
多くの若手猟師と出会うことができました。

猟に参加するハードルを下げるための様々な取り組みをしており、
仕掛けた罠を当番制で見回り、獲物を仕留める罠シェアリングというコミュニティがあるそうです。

ミレニアル世代の「シェアが当たり前」という価値観が狩猟業界にも広がりつつあるようです。

それでは、次号をお楽しみに!

菅原 隆